アレニウスの定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 08:10 UTC 版)
前節で説明した、デービーによる成果を踏まえ、アレニウスは、酸と塩基を以下のように定義したMF1(p144): 酸:水中で解離して水素イオン H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} を生じる物質 塩基:水中で解離して水酸化物イオン OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} を生じる物質 アレニウスの定義は、水分子 H 2 O {\displaystyle {\ce {{H2O}}}} が水素イオン H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} と水酸化物イオン OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} とに分解できる事を考えると理解しやすい。この事実を鑑みると、なんら物質を溶かしていない純粋な水の場合、そこに含まれる H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} と OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} とは同じ量である。それに対し、酸性の水溶液では、酸が H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} を生じるので H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} の方が OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} よりも多く、逆に塩基性の水溶液では塩基が OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} を生じるので、 OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} の方が H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} よりも多い。 酸性の水溶液と塩基性の水溶液を混ぜ合わせた時に起こる中和は、酸性の水溶液にある H + {\displaystyle {\ce {{H+}}}} と塩基性の水溶液にある OH − {\displaystyle {\ce {OH^{-}}}} が反応して水分子 H 2 O {\displaystyle {\ce {{H2O}}}} に変わる過程であると解釈できる。
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