ヒドロ虫綱とは? わかりやすく解説

ヒドロ虫綱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/05 08:46 UTC 版)

ヒドロ虫綱
分類
: 動物界 Animalia
: 刺胞動物門 Cnidaria
: ヒドロ虫綱 Hydrozoa
Owen, 1843

ヒドロ虫綱(ひどろちゅうこう、学名:Hydrozoa)は刺胞動物に属するの一つである。

特徴

ヒドロ虫綱は、刺胞動物門を構成する4つの綱のうちの1つである。特徴としては、その構造がもっとも単純であることが挙げられる。クラゲ型とポリプ型の両段階を持ち、多くのものがその両者を含む世代交代を行なうが、例外も多い。形態等の多様なことも特徴となっている。クラゲ型においては4本の放射水管をもち、ポリプ型においては隔壁を全く持たない。その一方で刺胞についてはもっとも多くの型を持っている。

大部分が海生だが、ヒドラマミズクラゲ等の例外もある。群体性のものも単体性のものもあり、ライフサイクルの形式と形態が非常に多様である。他の刺胞動物と同様に流体静力学的外骨格によって形を保っている。ポリプ型を指してヒドロ虫ということも多い。これについてはヒドロ虫の項目を参照されたい。

最もよく知られ、研究が進められている淡水産ヒドロ虫が静水域によく見られるヒドラである。ヒドラは腺細胞からなる足盤で物に付着して、他の刺胞動物と同様に刺胞で餌動物を麻痺させる。ミジンコのような小さな甲殻類昆虫幼虫環虫などを食べる。雄の放出した精子が雌の体側にある受精することによる有性生殖出芽による無性生殖の両方を行う。

群体性ヒドロ虫は典型的にはクラゲ世代とポリプ世代の両方のライフサイクルを持つ。個虫は基部と軸部を持ち、群体は栄養、生殖、攻撃など分業化した多数の個虫からなる。繁殖のためのポリプは生殖個虫(有鞘ヒドロ虫では子嚢)といわれ、そこから有性生殖によるクラゲを産む。これらのクラゲが卵を産み、受精卵を作る。受精卵は自由遊泳性のプラヌラ幼生になり適当な基質に付着したり、触手を持つ自由遊泳性のアクチヌラ幼生となりそのままクラゲやポリプに変態したりする。群体性ヒドロ虫には管クラゲカイウミヒドラオベリアクラゲ等の多数の種がある。

ポリプとクラゲの段階を行き来するヒドロ虫にとってクラゲ世代は基本的には主に有性生殖の段階である。クラゲの寿命は短く限られており、配偶子を放出すると死んでしまうものも多い(アナサンゴモドキの場合のように)。他方、クダクラゲ目ではクラゲ段階がよく発達し、クラゲの群体として大型になるものがある。

下位分類

関連項目

外部リンク


ヒドロ虫綱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 07:18 UTC 版)

刺胞動物」の記事における「ヒドロ虫綱」の解説

ヒドロ虫綱 Hydrozoa には、ヒドラカツオノエボシなどが属する。ポリプ型、クラゲ型の両方持ち、どちらが優勢かは群によって異なりどちらかのみをもつ種も含まれるいずれもプラヌラ幼生よばれる幼生時点では単独自由に遊泳できる。 花クラゲ目 Anthomedusae - カミクラゲウラシマクラゲエダアシクラゲカツオノカンムリギンカクラゲヒドラオトヒメノハナガササンゴモドキアナサンゴモドキ 管クラゲ目 Siphonophora - カツオノエボシボウズニラヨウラククラゲハナワクラゲ、シダレザクラクラゲ、ヒトツクラゲクラゲ目 Leptomedusae - オワンクラゲフサウミコップ 淡水クラゲ目 Limnomedusae - ハナガサクラゲマミズクラゲカギノテクラゲ レンズクラゲ目 Laingiomedusae - カントクラゲ アクチヌラ目 Actinulidae - ハラモヒドラ 硬クラゲ目 Trachymedusae - カラカサクラゲクラゲ目 Narcomedusae - ツヅミクラゲニチリンクラゲ

※この「ヒドロ虫綱」の解説は、「刺胞動物」の解説の一部です。
「ヒドロ虫綱」を含む「刺胞動物」の記事については、「刺胞動物」の概要を参照ください。

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