オキソニウムイオンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 分子化学 > イオン > オキソニウムイオンの意味・解説 

オキソニウム‐イオン【oxonium ion】

読み方:おきそにうむいおん

水和した水素イオンH3Oのこと。かつてヒドロニウムイオンよばれた


オキソニウムイオン

[H3O]+

オキソニウムイオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 05:35 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

オキソニウムイオン (: oxonium ion) は3つの化学結合をもった酸素カチオンの総称である[1]。最も単純なオキソニウムイオンはヒドロニウムイオン H3O+ である。有機化学に登場する多くのオキソニウムイオンは、カルボニル化合物のプロトン化またはアルキル化により得られる。たとえば分子式が R-C=O+-R (Rは水素以外) と表されるものでは、共鳴構造が書けるうえにそれが第三級カルボカチオンのものであるため、特に安定となる。

安定なアルキルオキソニウム塩が存在し、アルキル化剤として広く使われる。たとえば、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート英語版 (Et3O+)(BF
4
)
は白色の結晶性固体であり、強力なエチル化剤である。これを利用すると、伝統的なフィッシャーエステル合成反応が利用できないときでも、エチルエステルを生産することができる。

オキソニウムイオン
の一般構造式
トリメチルオキソニウム
の骨格構造式
トリメチルオキソニウム
の球棒モデル
トリメチルオキソニウム
の空間充填モデル

他の炭化水素化オキソニウムイオンはエーテルやアルコールのアルキル化またはプロトン化により得られる。酸性溶液中でアルコールのプロトン化により得られたオキソニウムは、E2反応脱離基としてはたらく。これは、電子を受け取ったとき分子になるからである。このときの生成物はアルケンである。

オキサトリキナン英語版とオキサトリキナセンは異常に安定なオキソニウムイオンで、2008年にはじめて指摘された。強い求核剤である水酸化物シアン化物アジ化物とは反応するものの、オキサトリキナンは沸騰水、アルコール、ハロゲンイオン、アミンとは反応しない。

脚注

  1. ^ March, Jerry (1985). Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure (英語) (3rd ed.). New York: Wiley. ISBN 0-471-85472-7

関連項目




オキソニウムイオンと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オキソニウムイオン」の関連用語

オキソニウムイオンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オキソニウムイオンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオキソニウムイオン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS