パンクロマチックとオルソクロマチック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 15:23 UTC 版)
「モノクロフィルム」の記事における「パンクロマチックとオルソクロマチック」の解説
パンクロマチックフィルムは可視光線のすべてに対して感度を持っている一方、オルソクロマチックは青と緑に限られ、赤に対しては感度を持たない。 ハロゲン化銀単体では紫外線や青色光にしか感度をもっておらず、1873年にドイツの科学者、ヘルマン・ヴィルヘルム・フォーゲル(英語版)が、色素を加えることによって感度を緑に、その後黄色・橙色までに広がることを発見するまで、写真用感材は青にしか感度を持っていなかった。赤色3号を加えることによってオルソクロマチックフィルムが、シアン誘導体のピナシアノル (ピナクローム) を加えることによってパンクロマチックフィルムが作れるようになるが、パンクロ感材の実現には、彼の死後すこし経った20世紀初頭まで待たねばならず、1906年になって写真用の感材が商業的に提供されるようになった。しかしオルソクロマチックからパンクロマチックへの移行は以下の理由により、徐々にしか起こらなかった。 オルソクロマチックの2 - 3倍という費用の高さ 赤色灯をセーフライトとして用いられたオルソクロマチックと違って暗闇で現像を行わなければならない 黄色や赤への感度を持たせる処理が青や紫に対して以前よりも高い感度を与えてしまい、これの補正するためのレンズのせいで長い感光時間が要求された
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