バルククーラー
牛から搾られた乳は、牛の体温に近い温度(30数℃)になっています。もしもそのままにしておくと、細菌が増殖して、乳質が急激に悪くなってしまいます。暑さが続く今の季節、酪農家たちは特に、十分な注意を払っています。搾ったら、なるべく早く低い温度に冷やす。そこで活躍するのがクーラーなのです。 現在、もっとも普及しているのがバルククーラーと呼ばれるもので、ステンレスのタンクと冷凍機からできています。このバルククーラーが、搾った乳を急速に冷却して乳質の劣化から、搾った乳を守ってくれているのです。 ちなみに、バルククーラーにはステンレスタンクの底や底側面に密着して設置された冷却器によって冷却するタイプと、冷却器によってあらかじめ作られた氷を利用して冷やすタイプがあります。 欧米ではこのバルククーラーの冷却能力に規格を定めていて、日本でもこの基準を参考にしています。それは、朝または夕方の搾乳1回分の乳をタンクに入れてから1時間以内に10℃に、そして次の1時間以内に4℃にまで乳の温度を下げること。さらに次の搾乳分を入れても10℃を超えないこと、あるいはいかに清潔に安全に冷やすかに重点が置かれ、材質や冷却性能などに細かな規定があります。 特に、暑さの盛りを迎える季節、おいしい牛乳を皆さんにお届けするため、毎日毎日バルククーラーたちは、がんばって搾られたばかりの乳を冷やし続けているのです。 |
<ミルククラブ情報誌'99 SUMMER vol.32より> |
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