バターワース特性とは? わかりやすく解説

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最大平坦特性

読み方さいだいへいきんとくせい
別名:バターワース特性
【英】Butterworth character

最大平均特性とは、フィルタ特性のひとつで、通過域平坦であるために通過域でのリプル出力現れる直流以外の成分)がないフィルタのことである。最大平坦特性は、特に高精度測定行なう際に適している。


バターワースフィルタ

(バターワース特性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/30 07:07 UTC 版)

バターワースフィルタ: Butterworth filter)は、フィルタ回路設計の一種。通過帯域が数学的に可能な限り平坦な周波数特性となるよう設計されている。

バターワースフィルタは1930年イギリス技術者 スティーブン・バターワース英語版が論文 "On the Theory of Filter Amplifiers"(Butterworth 1930) で発表した。

また、特定のフィルタ回路構成を指す用語ではなく、フィルタの応答特性を指す用語であるため、バターワースフィルタ特性(あるいはバターワース特性)と呼ぶ場合もある。

概要

バターワースフィルタの周波数応答は通過帯域では最大限平坦であり(リップルがない)、除去帯域に向かってゼロに近づいていく。対数目盛のボーデ図で見ると、応答曲線は線形に負の無限大に近づいていく。一次フィルタの場合、応答曲線の傾斜は -6dB/octave または -20dB/decade となる(回路構成に関わらず、一次のバターワースフィルタは全てこの特性を示す)。二次バターワースフィルタの場合、応答曲線の傾斜は -12dB/octave、三次の場合 -18dB/octave となる。バターワースフィルタは、ωに対して振幅が単調に変化する。バターワースフィルタは高次になっても特性曲線が同じ形状(ただし、傾斜はきつくなる)だが、他のフィルタ(ベッセルチェビシェフ楕円など)は高次になると曲線の形状が変わる。

他のフィルタに比べるとバターワースフィルタによる減衰は緩やかであるため、特定の除去帯域仕様を実装するには高次な実装を必要とする。しかし、通過帯域は他のフィルタより線形な位相応答を示す。

簡単な例

三次ローパスフィルタ(Cauer形)。このフィルタが遮断周波数 ωc=1 のバターワースフィルタとなるのは、(例えば)C2=4/3 F、R4=1 Ω、L1=3/2 H、L3=1/2 H の場合である。

バターワースフィルタの簡単な例として三次ローパスフィルタを右図に示す。

ωc=1 の三次バターワースフィルタの利得(緑)と群遅延(赤)

群遅延は、角周波数についての位相の微分と定義され、異なる複数の周波数間の位相差による信号の歪みの尺度である。このフィルタの利得と遅延をプロットしたものを左図に示す。利得曲線を見ると、通過帯域にも除去帯域にもリップルがないことがわかる。

伝達関数 H(s) の絶対値の対数を複素平面にプロットしたものが右図である。複素平面の左半分に3つの極がある。これらは単位円上にあり、実数軸を中心として対称に位置する。利得関数は右半分に3つの極を持ち、全体として単位円が完成する。

この回路のコイルとコンデンサを入れ替えると、ハイパス・バターワースフィルタとなる。うまく計算した値のコイルとコンデンサを並列接続したものをそれぞれの位置に入れると、バンドパス・バターワースフィルタになる。

伝達関数

一次から五次までのバターワース特性のローパスフィルタの利得。n次のとき、傾斜は 20n dB/decade になっている。

n次バターワース・ローパス・フィルタの利得

Cauer形のバターワースフィルタ

Cauer形は受動部品だけで線形アナログフィルタを構成する。バターワースフィルタの伝達関数はCauer形の回路で実装できる。右図のk番目の部品の特性値は以下のようになる。

Sallen-Key形(単にトポロジーを示しているだけで、個々の値はバターワースフィルタとは限らない)

Sallen-Key形は能動部品(オペアンプ)も使って線形アナログフィルタを実装するトポロジーである。各段のSallen-Key形回路で複素共役の2つの極を実装する。全体としては、Sallen-Key形の回路をカスケード接続してフィルタを構成する。n が奇数の場合実数の極ができるが、それは別途実装する必要があり、一般にRC回路で構成して、それをオペアンプの回路とカスケード接続する。

Sallen-Key形の伝達関数は次の通りである。

これらは同じ次数(この場合は五次)である。五次のフィルタであるとは、decade(周波数が10倍になる区間)当たり20dB×5 すなわち 100dB のロールオフとなることを意味する。バターワースフィルタは他のフィルタに比べて遮断周波数付近でのロールオフが緩やかだが、リップルが見られない。

参考文献



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