バジーレによる『灰かぶり猫』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 08:14 UTC 版)
「シンデレラ」の記事における「バジーレによる『灰かぶり猫』」の解説
ペローやグリムよりも以前の17世紀の南イタリアでバジーレによって書かれた灰かぶり猫(Cenerentola、1日目第6話)は、ペローやグリムよりも古い形と考えられ、両者と異なる部分がある。 主人公のゼゾッラ(シンデレラにあたる)と継母(当初は裁縫の先生)は実は同志で、先生はゼゾッラに不仲であった最初の継母を殺害させ、先生が父の大公と再婚させるようにセゾッラから父に進言させ、後に継母が6人の実娘を儲けると、ゼゾッラを裏切って冷遇する。 その後、父の大公が旅行中に継母の娘には豪華なお土産の約束をするが、ゼゾッラはただ妖精の鳩がくれる物が欲しいとだけ答える。その後、大公が妖精から授かったナツメの木の苗を土産として与えられたゼゾッラはその木を大切に育てる。 ナツメの木は実は魔法の木で、彼女は木の魔法によってきれいに着飾ってお祭りに参加して国王に注目される。 国王の従者に追いかけられたゼゾッラは履いていたピァネッレ(17世紀のイタリアで履かれていた木靴)を落としてしまう。 斎日に国王が国中すべての娘を召し出して靴を履かせた結果、ゼゾッラだけが靴に合致して王妃に迎えられる。継母の6人の娘たちがそのときの屈辱を母親に伝えたところで物語の幕を閉じる。 バジーレの作品の最大の特徴は冒頭にゼゾッラ(シンデレラ)が最初の継母に衣装箱から服を出して欲しいと頼み、顔を突っ込んだときに支えていた蓋を離して首を折って殺害する場面があることである。このシーンはグリム童話の1つである「ねずの木」と共通する側面を有している。
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