ハープのための即興曲 変ニ長調 作品86(即興曲第6番 作品86bis)
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「即興曲 (フォーレ)」の記事における「ハープのための即興曲 変ニ長調 作品86(即興曲第6番 作品86bis)」の解説
原曲(作品86)は、1904年パリ音楽院のハープ科教授だったアルフォンス・アッセルマン(1845年 - 1912年)のクラスのための課題曲として作曲された。アッセルマンに献呈されており、伝えられている手稿譜の断片にはアッセルマンの手になると考えられるものがあることから、曲の走句や技巧的部分の書法に関してフォーレはアッセルマンの助言を受けたものと推測される。1904年7月、アッセルマンの生徒シャルロット・ランドラン(後に画家ジャック・ルロルと結婚)によって課題演奏された。 曲はアレグロ・モデラート・モルト、変ニ長調の最初の主題と変ロ短調メノ・モッソで出る二つめの主題を交互に展開させており、華麗な技巧性と豊かなハーモニックスの効果によって世界中のハープ奏者のレパートリーとなっている。 また、1905年1月7日、国民音楽協会の演奏会でこの曲はミシュリーヌ・カーン(フランス語版)によって一般初演されている。カーンはアッセルマンのもっとも優秀な弟子のひとりで、彼女の演奏はフォーレの依頼に応えたものだった。その後、フォーレは1918年にハープのためのオリジナル曲『塔の奥方』(作品110)をカーンに贈っている。試験向けに書かれた即興曲が高度なテクニックを追求しているのに対し、『塔の奥方』は繊細で詩的な雰囲気を持つ。 このハープのための即興曲を1913年にアルフレッド・コルトーがピアノ用に編曲したものが作品86bis であり、ピアノのための即興曲としては第5番よりも発表が遅かったために「第6番」とされた。原曲版(1904年)、ピアノ版(1913年)ともにデュラン社から出版された。
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