ハドレー循環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 05:57 UTC 版)
詳細は「ハドレー循環」を参照 18世紀にイギリスの気象学者ジョージ・ハドレーがその理論を提唱したことからこの名が付いた。太陽熱で暖められた空気は上昇するのだが、赤道付近には地球上で最も多くの太陽熱が供給されるため、「熱帯収束帯」または「赤道低圧帯」と呼ばれる恒常的な低気圧帯が発生する。熱帯収束帯では巨大な積乱雲の群れが収束線に沿って連なっており、気象衛星画像などでその姿を見る事が出来る。 熱帯収束帯で上昇した空気は圏界面(対流圏界面)に達したあと水平に広がり、中緯度地域の上空へ流れ込む。ここで次第に冷やされた空気は下降し、中緯度(北緯・南緯30度付近)で「亜熱帯高圧帯」または「中緯度高圧帯」と呼ばれる高気圧帯となる。亜熱帯高圧帯から吹き出す風は貿易風として熱帯収束帯に向かって吹き込む。こうして、上空では赤道から中緯度へ、地上付近では中緯度から赤道へ向かう、1つの閉じた循環ができる。これを「ハドレー循環」という。 地球表面を長い距離移動する風は自転の影響(コリオリの力)を受けて、高緯度から低緯度へ向かう風は西向きに曲げられるため、貿易風は北半球では北東貿易風、南半球では南東貿易風となる。 ただし、地軸(赤道傾斜角)の傾きにより季節によって太陽が天頂へ来る地域(太陽熱を多く受ける地域)は変わるため、熱帯収束帯は季節によって南北へ移動する。このことから、厳密には熱帯収束帯が位置するのは「赤道」ではなく「熱赤道」となる。 ハドレー循環は、熱帯収束帯で上昇した空気が中緯度高圧帯へ移動する事で熱をより高い緯度へ運ぶため、「直接循環」と呼ばれている。
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