ハガルとイシュマエルを追放するアブラハムとは? わかりやすく解説

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ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/22 14:00 UTC 版)

『ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム』
イタリア語: Abramo ripudia Agar e Ismaele
英語: Abraham Casting out Hagar and Ishmael
作者グエルチーノ
製作年1657年
種類キャンバス上に油彩
寸法115 cm × 152 cm (45 in × 60 in)
所蔵ブレラ美術館ミラノ

ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム』(ハガルとイシュマエルをついほうするアブラハム、: Abramo ripudia Agar e Ismaele: Abraham Casting out Hagar and Ishmael)は、イタリアバロック絵画の巨匠グエルチーノが1657年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。チェントの町からフェラーラに派遣されていた教皇特使ロレンツォ・インペリアーリ枢機卿英語版に贈るために委嘱された[1]。かつてはボローニャのサンピエーリ・コレクションにあったが、現在はミラノブレラ美術館に所蔵されている[1][2][3]

作品

この絵画の主題は『旧約聖書』の「創世記」 (12-16章、20章) [4]から採られており、アブラハムハガルと彼女の息子イシュマエルを追放する逸話を描いている。「創世記」によれば、ハガルはアブラハムの妻サラの奴隷であった。サラは86歳であった時、ハガルがアブラハムの息子を懐妊できるようにアブラハムにサラと寝床を共にするように頼んだ[4]。14年後、100歳であったサラはアブラハムの息子イサクを生んだ。サラは、アブラハムにハガルとイシュマエルを追放するように命じたが、アブラハムは神からその意志に沿うものであるという確証を得てから、2人を追放した[1]

グエルチーノは、アブラハムがハガルを追い払う瞬間を選んでいる。4人の登場人物は全員近接している。アブラハムは髭を生やし、ターバンを着けた伝統的な姿で表され、奴隷のハガルと向かい合っている。彼女は旅行用の袋を身に着けている。アブラハムの背後には、彼に背を向けたサラがいる。彼女は全体の状況に責任があり、背を向けていながらも会話を注意深く聞いている。反対側には、泣きながら、母親の腕の中に身をゆだねるイシュマエルがいる。アブラハムの心は引き裂かれているようにみえる。 彼の右手は母子の退去を強く命じているが、左手は祝福の仕草をしている[5]

脚注

  1. ^ a b c Abraham Casting out Hagar and Ishmael”. 2024年3月30日閲覧。
  2. ^ ブレラ 絵画館全作品ガイド 1997年、102-103頁。
  3. ^ (ポーランド語) Patrick de Rynck Jak czytać opowieści biblijne i mitologiczne w sztuce, wyd. Universitas, Kraków 2008, ISBN 97883-242-0903-3
  4. ^ a b 『名画で読み解く「聖書」』 2013年、38頁。
  5. ^ (ポーランド語) Patrick de Rynck Jak czytać opowieści biblijne i mitologiczne w sztuce, wyd. Universitas, Kraków 2008, ISBN 97883-242-0903-3

参考文献

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