ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム_(マース)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム_(マース)の意味・解説 

ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム (マース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/27 13:34 UTC 版)

『ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム』
オランダ語: De wegzendig van Hagar en Ismael
英語: Abraham Dismissing Hagar and Ishmael
作者 ニコラース・マース
製作年 1653年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 87.6 cm × 69.9 cm (34.5 in × 27.5 in)
所蔵 メトロポリタン美術館ニューヨーク

ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム』(ハガルとイシュマエルをついほうするアブラハム、: De wegzendig van Hagar en Ismael: Abraham Dismissing Hagar and Ishmael)は、17世紀オランダ絵画黄金時代の画家ニコラース・マースが1653年に制作した絵画である。画面下部中央に「NMAES. [A?] 1653」という画家の署名と制作年が記されており[1]、制作年が記されたマースの最初の作品となっている[2]。1971年にエドワード・ブレイトン (Edward Brayton) 夫人に寄贈されて以来[1][2]ニューヨークメトロポリタン美術館に所蔵されている[1][2][3]

作品

レンブラントエッチング『ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム』 (1637年)、ナショナル・ギャラリー (ワシントン)

この絵画の主題は『旧約聖書』の「創世記」 (12-16章、20章) [4]から採られている。「創世記」によれば、ハガルアブラハムの妻サラの奴隷であった。サラは86歳であった時、ハガルがアブラハムの息子を懐妊できるようにアブラハムにサラと寝床を共にするように頼む。その結果、イシュマエルが生まれることになる[4]。しかし、後にサラは懐妊してイサクを生んだために、サラとイシュマエルを疎んじるようになり、アブラハムに頼んで、2人を追い出してしまった[5]

この主題はレンブラントが扱っており[2]、彼の周辺の画家たちとプロテスタントの絵画収集家たちの間で人気があった[3]。レンブラントの最も多才な弟子の1人であったマースは、聖書の物語を力強い家庭的物語にする手法を学び取った。本作は、アブラハムが今まさにハガルをイシュマエルとともに追い出すところを描いている。アブラハムはハガルを安心させようとしているが、彼女のうつむいた視線 (左側のイシュマエルにも反復されている) は、見捨てられた孤独を伝えている[2]

脚注

  1. ^ a b c Abraham dismissing Hagar and Ishmael, dated 1653”. オランダ美術史研究所公式サイト (英語). 2025年5月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e Abraham dismissing Hagar and Ishmael”. メトロポリタン美術館公式サイト (英語). 2025年5月27日閲覧。
  3. ^ a b Abraham Dismissing Hagar and Ishmael”. Web Galley of Artサイト (英語). 2025年5月27日閲覧。
  4. ^ a b 『名画で読み解く「聖書」』 2013年、38頁。
  5. ^ 『名画で読み解く「聖書」』 2013年、42頁。

参考文献

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム_(マース)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム_(マース)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム_(マース)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハガルとイシュマエルを追放するアブラハム (マース) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS