カトーの自害とは? わかりやすく解説

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カトーの自害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 10:06 UTC 版)

『カトーの自害』
イタリア語: Sucidio di Catone
英語: The Suicide of Cato
作者 グエルチーノ
製作年 1641年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 96 cm × 71 cm (38 in × 28 in)
所蔵 パラッツォ・ロッソジェノヴァ

カトーの自害』(カトーのじがい、: Suicidio di Catone: The Suicide of Cato)は、イタリアバロック期の巨匠グエルチーノが1641年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。18世紀のブリニョーレ (Brignole) 家のコレクションに記載されており、1874年にブリニョーレ家最後の人物であったマリーア・ブリニョーレ・サーレ・デ・フェラーリによってジェノヴァ市に寄贈された[1][2]。現在、ジェノヴァのストラーダ・ヌォーヴァ美術館群英語版に属すパラッツォ・ロッソに所蔵されている[1][2]

作品

絵画の主題となっているマルクス・ポルキウス・カトー・ウティケンシスについては、古代ローマ時代の著述家プルタルコスによって語られている[1]。カトーはストア派の原理に忠実で、ローマ内戦時代にはグナエウス・ポンペイウスの支持者であった。しかし、自身の信条が失われたと知るや、予め彼から取り上げられていた剣を腹部に刺し、自害した。17世紀にカトーは、死を恐れることもないほど自身に忠実であった理想の男の象徴であった[1]

作品はローマで活動していたペルージャ出身の弁護士マルカントニオ・エウジェニオ (Marcantonio Eugenio) により注文された[2]が、エウジェニオはグエルチーノに対作品となる『セネカの死』 (現存しない) も注文しており、両作品とも道徳的な動機による依頼であったと解釈できる[1]。グエルチーノの「勘定帳」には1640年11月22日に本作に対して15スクード相当の額が支払われたことが記されており、1641年12月7日には残額の45スクードが支払われている[3]。エウジェニオは、1643年に同じく60スクードと見積もられた『セネカの死』も受け取っている。セネカの死の主題はグエルチーノの作品中で人気のあったもので、彼はアントニオ・バルベリーニ英語版枢機卿のためにも別ヴァージョンを75スクードで制作した[2]

脚注

  1. ^ a b c d e The Suicide of Cato”. ストラーダ・ヌオーヴァ美術館群公式サイト (英語). 2025年4月7日閲覧。
  2. ^ a b c d (イタリア語) P. Bagni, D. De Grazia, D. Mahon, F. Gozzi and A. Emiliani, Giovanni Francesco Barbieri Il Guercino 1591-1666, a cura di Denis Mahon, Bologna, Nuova Alfa Editoriale, 1991, ISBN 9788877792846, p. 240.
  3. ^ (イタリア語) P. Boccardo, La Galleria di Palazzo Rosso Genova, Milano, Federico Garolla Editore, 1992, pp. 47-51.

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