ネズミ類の不在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 10:14 UTC 版)
「南硫黄島原生自然環境保全地域」の記事における「ネズミ類の不在」の解説
小笠原諸島の島々では、外来種としてクマネズミなどのネズミ類が進入し、生態系に悪影響を与えている。たとえば北硫黄島で戦前繁殖が確認されていたオーストンウミツバメ、クロウミツバメ、セグロミズナギドリは、クマネズミの影響で北硫黄島では繁殖が行われなくなったものと推定されており、父島列島、母島列島、聟島列島にはほとんどの島にクマネズミが侵入し、植生や鳥類、陸産貝類などに被害を与えていることが明らかになっている。南硫黄島はこれまで人間が生態系に与えた影響がきわめて小さかったと考えられているが、船の難破や開墾の試みなど人間との関わりが皆無であったわけではない。また、ネズミ類は短距離ならば海を泳いで分布を広げるとの報告もある。そのため、1982年、2007年の学術調査の際にネズミ類の生息の有無の調査が行われた。 1982年の調査時は、島内に設置した罠にまったく捕獲されず、また島の南岸にあった難破船の生米がまったくネズミ類の食害に遭っていなかったことが確認されたため、ネズミ類は生息していないものと判断された。2007年の調査時も罠の設置や食痕の調査を通じてネズミ類の存在について確認されたが、やはり生息していないものと考えられた。この結果は南硫黄島が人間からの影響がこれまできわめて小さかったことを物語っている。
※この「ネズミ類の不在」の解説は、「南硫黄島原生自然環境保全地域」の解説の一部です。
「ネズミ類の不在」を含む「南硫黄島原生自然環境保全地域」の記事については、「南硫黄島原生自然環境保全地域」の概要を参照ください。
- ネズミ類の不在のページへのリンク