ニハイチュウ類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 02:25 UTC 版)
詳細は「二胚動物」を参照 ニハイチュウ(二胚虫)類 Dicyemidaは頭足類(タコおよびコウイカ類)の腎嚢に寄生(片利共生)している。体の大きさは数 mmで、体を構成する細胞は多細胞動物の中で最少級の蠕虫様の動物である。全世界の頭足類約25属から3科8属約140種の二胚動物が確認されている。現在は独立の門二胚動物門とされることが多い。 1839年、ドイツのAugust Krohnはニハイチュウの存在を詳細に記録した。1849年、スイスのアルベルト・フォン・ケリカーは生活史に2種類の幼生があることから、これをDicyemaと名付けた。その後1876年、ベルギーの研究者 Édouard van Benedenは、ディキエマ属 Dicyemaを含む数属を新たな目 Dicyemides van Beneden, 1876 に含め、中生動物を設立し、その中に置いた。 ネマトジェンおよびロンボジェンと呼ばれるニハイチュウの成体は通常、1個の軸細胞と20個程度の体皮細胞からなる。筋肉組織、消化器など組織や器官と呼べる構造はなく、主要器官は生殖腺だけである。ただし、生殖形態に無性生殖と有性生殖があるため、生活環は複雑である。無性生殖の場合、無性生殖する成体(ネマトジェン)と蠕虫型幼生でサイクルを形成する。個体群密度が増えると、有性生殖を開始し、ロンボジェンと呼ばれる成体から滴虫型幼生が発生し、新宿主へ到達・感染する。
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