日本近海のニハイチュウ相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:33 UTC 版)
「二胚動物」の記事における「日本近海のニハイチュウ相」の解説
日本沿岸に普通に見られるニハイチュウ類はニハイチュウ科に属するディキエマ属 Dicyema、Dicyemennea、Dicyemodeca および Pseudicyemaである。 日本産のニハイチュウは1938年、中尾 (Yoshio Nakao)とヌベル (Henri Nouvel)らによってはじめて記載された。それはヌベルが東京帝国大学の三崎臨海実験所を訪れた際、マダコとアオリイカからそれぞれ発見したミサキニハイチュウ Dicyema misakiense およびアオリイカニハイチュウ D. orientale である。ヌベルは1947年にも記載し、それまでで2属4種が報告された。さらに1992年の古屋らの研究により6種となり、1999年の古屋の報告により、新たに14種が記載され、4属20種となった。Furuya (2017)では4属45種(うち6種は未記載)が挙げられている。そして2018年に新たに11種が記載された。現在までに日本沿岸産の頭足類25種から未記載種を含む約60種のニハイチュウが確認されているが、未調査の底生の頭足類は50種にもおよび、宿主特異性を持ち各頭足類から複数の種が見られることから、日本には100種以上のニハイチュウが存在すると考えられている。なお、日本ではマダコに寄生するヤマトニハイチュウ Dicyema japonicum が最も容易に観察できる。
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