ニクダーなしでヘブライ語を表記する際の規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/01 05:11 UTC 版)
「ニクダー」の記事における「ニクダーなしでヘブライ語を表記する際の規則」の解説
現代のイスラエルにおけるヘブライ語の正書法では、ニクダーは辞書や詩、児童や新しい移民向けの書籍などの特別なものを除き、表記されることはまれである。そのため、誤って読まれるおそれを避けるために、ヘブライ語で「クティヴ・マレー」(ヘブライ語: כתיב מלא, ktiv male)という、ニクダなしの正書法が発展した。この正書法は、1996年にヘブライ言語アカデミーにより公式に「ニクダなし表記の法則」(כללי הכתיב חסר הניקוד) としてまとめられた。 主な要点は以下のとおり。 ニクダーありの表記で母音補助記号として使用されている子音文字がある場合は、ニクダーなしの表記でもその子音文字をそのまま表記する。 母音補助記号として使用されている子音文字がない綴りの母音 /i/ を表す「ヒリック」は "י"(ヨッド)に置き換える。ただし、母音なしのシュワーの直前の「ヒリック」は "י" に置き換えない。また、前置詞「~と共に」"[ʕ]im, עִם"、接続詞「もし~ならば」"im, אִם" の「ヒリック」は置き換えない。 母音補助記号として使用されている子音文字がない綴りの母音 /o/, /u/ を表す全ての母音記号は "ו"(ヴァヴ)に置き換える。 ただし、「ハタフ・カマツ」は "ו" に置き換えない場合も多い。また、単語「全ての」"kol, כָל" の「カマツ」も "ו" に置き換えない。 子音として用いられている "י"(ヨッド)や "ו"(ヴァヴ)は、語頭、語末以外では "יי" や "וו" のように文字を重ねて表記する。 ただし、1つの単語で "י"(ヨッド)や "ו"(ヴァヴ)が3つ以上重なることはない。 複数形名詞に付く所有接尾辞「私の~」/-ay/ および、名詞の双数形語尾 /-aym/ は、それぞれ "יים"、"-יי-" とヨッドを重ねて表記する。 固有名詞では以上の規則は適用されず、ニクダーなしの表記でも "י"(ヨッド)や "ו"(ヴァヴ)は挿入されない。
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