ナイト・ストーカー逮捕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 15:00 UTC 版)
「リチャード・ラミレス」の記事における「ナイト・ストーカー逮捕」の解説
1985年8月31日、ラミレスはアリゾナ州フェニックスからロサンゼルスに戻ってきた。コカインを手に入れるために数日ロサンゼルスを離れていたラミレスは、自分が指名手配されていることも知らず、意気揚々と街を闊歩していた。やがて行き付けのコンビニエンスストアに入り、好物のドーナツとペプシコーラを買おうとレジに立ったところで、自分の顔写真がデカデカと載った地元紙の一面が目に飛び込んだ。自分が殺人犯として指名手配されていることに気付きパニックに陥ったラミレスは店を飛び出し、3キロをわずか10分で走りぬけている。その後、3度にわたって自動車を強奪しようとして失敗、追いつめられたラミレスはヒスパニック系住人が多く住む地区へ逃げ込んだ。 同胞に対する慈悲を期待してのことだったが、住民たちは逆に怒りを剥き出しにしてラミレスを追いたてた。というのも、ただでさえお決まりの人種差別で腹立たしく思っているところへ、ナイト・ストーカーの正体がヒスパニックの男だというので、非常に肩身の狭い思いをしていたのだ。ナイト・ストーカーが自分たちの街に逃げ込んできたと聞いた住民たちは、それぞれ怒りに燃えながらラミレスを追いまわし、とうとう彼は身柄を押さえられるに至った。通報を受けたアンドレアス・ラミレス保安官代理(同姓で年齢も同じく25歳だがむろん無関係)が現場へ駆けつけた時には、殺気立った住民らにリンチにかけられる寸前だったという。ラミレス保安官代理が現場へ到着すると、ラミレスは「天の助けだ。助けてくれ!俺だよ。あんたたちが捜している男は俺だ。こいつらに殺される前に俺を捕まえてくれ!」と泣き付いたという。 ちなみに、ラミレス保安官代理は巷を騒がせている連続殺人犯が同じヒスパニックで、なおかつ同姓であったことから心ない同僚からの誹謗中傷を受けており、非常に憤慨していた。自らの手でナイト・ストーカーを逮捕し、名誉を挽回したことで大いに溜飲を下げたという。
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