ドーンによる探査以前の観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 22:43 UTC 版)
「ケレス (準惑星)」の記事における「ドーンによる探査以前の観測」の解説
ドーンによる探査以前は、ケレスの明白な表面の特徴はわずかしか検出されていなかった。1995年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した高解像度の紫外線画像で、表面に暗い地形があることが示された。この地形はケレスの発見者に因んで「ピアッツィ(Piazzi)」と呼ばれ、クレーターであると考えられた。補償光学を用いてケック天文台によって撮影された、より高解像度の近赤外線全球画像から、ケレスの自転と共に移動するいくつかの明るい地形と暗い地形が示された。そのうちの2つの暗い地形は形状が円形であったのでクレーターであると推測され、そのうち1つは中央に明るい地形を持つことが観測された。一方で、もう片方はピアッツィであると認識された。2003年と2004年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影したケレスの可視光線全球画像では、識別可能な地形が11個示されたが、それらの性質については未確定であった。これらの地形のうちの1つは以前から観測されていたピアッツィに該当するとされている。 こうした中での最後の観測では、ケレスの北極点がりゅう座の、赤経 19h 24m(291°)、赤緯+59°の方向を向いており、この結果から赤道傾斜角は3°であるとされた。その後、ドーンによる探査で実際には北極点が赤経 19h 25m 40.3s(291.418°)、赤緯+66° 45′ 50″(りゅう座δ星から約1.5°)の方向を向いていることが確定し、その結果、赤道傾斜角は4°であると判明した。 2014年1月には、ハーシェル宇宙望遠鏡の観測により2箇所からの水蒸気の噴出が確認された。量は1秒あたり6 kgであると推定されている。小惑星帯で彗星として活動するメインベルト彗星の存在は確認されていたが、水蒸気を観測したのは今回が初めてとなる。論文は1月23日にネイチャーに掲載された。
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