ドーパミン作用性のスマートドラッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 15:23 UTC 版)
「スマートドラッグ」の記事における「ドーパミン作用性のスマートドラッグ」の解説
ドーパミン作動性物質とは、神経伝達物質ドーパミンやドーパミンを使用する神経系の構成要素に影響を与える物質を指す。ドーパミンは、すべてのカテコールアミン神経伝達物質の合成時に生成され、ドーパミンの合成速度がすべてのカテコールアミンの合成速度を決定づける。ドーパミン作用性のスマートドラッグには以下のようなドーパミン前駆体や補因子、ドパミン再取り込み阻害剤が挙げられる。 L-ドーパ - 神経伝達物質ドーパミン前駆体。抗鬱作用。 フェニルアラニン (ビタミンB6とビタミンCが必要) - 必須アミノ酸。 ドーパミン前駆体、抗鬱作用、覚醒感(vigilance)。 DL-フェニルアラニン (DLPA) - DLPA は慢性疼痛やうつ病、あるいは月経前症候群による情緒不安定に有効な場合があるとされる。 テアニン(L-Theanine) - お茶に含まれる。セロトニン、ドーパミンレベルを増やす。アルファ波に基づく覚醒感のあるリラックス。 チロシン(tyrosine) (ビタミンB6とビタミンCが必須) - アミノ酸。ドーパミン前駆体であり、抗鬱作用や覚醒感を与える。 ビタミンC- 心臓血管や細胞膜の品質向上、抗酸化物質(脳細胞を保護)、神経伝達物質ドーパミン、セロトニンの補因子。 ビタミンB6 - ドーパミン補因子。 ヨヒンベ(Yohimbe) - 樹皮より精製。媚薬としても用いられる。しかし、その原因はわかっていない。副作用として、神経麻痺のほか、呼吸が遅くなったりアシドーシスを引き起こし、イライラ感、むかつき、吐き気などを催す。この植物から分離されたラウオルフィアアルカロイドがヨヒンビンである。 デプレニル(Deprenyl) - 覚醒剤取締法により覚醒剤原料指定。ドーパミンを分解するモノアミン酸化酵素阻害薬(MAO-B)を阻害する。 トルカポン(Tolcapone) - ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンを分解するCOMTを阻害し、カテコール・オルト・メチルトランスフェラーゼ(catechol-O-methyltransferase)遺伝子のval158Met多形の遺伝子型がval/valとval/metの場合、ワーキングメモリに依存する仕事の効率を向上させる。一方、遺伝子型がmet/met型である場合では低下させる。トルカポンは、致命的な副作用の危険性がある。
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