ドルスス暗殺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 14:30 UTC 版)
「ルキウス・アエリウス・セイヤヌス」の記事における「ドルスス暗殺」の解説
23年の時点でティベリウスの養子ゲルマニクスはすでに死んでいたものの、ティベリウスの後継者候補としてなおも元首一家には実子小ドルスス、ゲルマニクスの長男ネロ・カエサル、次男ドルスス・カエサル、まだ幼いゲルマニクスの息子ガイウス・カエサル(愛称カリグラ)がいた。男子としてはこの他にもティベリウスの甥にあたるクラウディウスもいたが、長い間政治からは除外されていた。 政治の実権を握ろうとするセイヤヌスにとって、これら元首の後継者候補の存在は歓迎すべきものではなかった。特に年齢、経験、元首との関係などから実質唯一の後継者となっていた小ドルススは、セイヤヌスに対しあからさまな敵意を向けており、セイヤヌスの野心にとっては最大の障害となっていた。 このためセイヤヌスは、小ドルススの排除を計画する。まずは小ドルススの妻のリウィッラに近づき不倫の関係を結んだ。さらにリウィッラの侍医エウデモスを計画に引き込み、その後小ドルススの宦官リュグドゥスも共謀者に加えた。また、リウィッラが求めたため3人の子供を産んでいた妻アピカタと離婚し、将来の結婚の約束で自分に縛りつけた。こうした準備ののち、少量ずつ毒を盛って病死に見せかけて、23年に小ドルススを殺害した。この暗殺は非常に巧妙に行なわれたため、8年後にセイヤヌス一派が粛清されるまで一般に知られることはなかった。
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