デペイズマンの例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 11:57 UTC 版)
ルネ・マグリットやジョルジョ・デ・キリコなどの作品における、次のようなものが典型である。 場所のデペイズマン - 本来の語源的意味。物をそれが本来あるはずがない場所に置くこと。「秘密の遊技者」(ルネ・マグリット) - 野球をする人たちの上に黒いオサガメが浮かんでいる。 「谷間の家具」(ジョルジョ・デ・キリコ) - 豪華な椅子が屋外の荒涼とした場所に置かれている。 「贈り物」(マン・レイ) - アイロンの表面にくぎがならんでいる。 「L.H.O.O.Q.」(マルセル・デュシャン) - モナ・リザに口ひげが生えている。 大きさのデペイズマン - 対象を実際よりもはるかに大きく、あるいは小さく描くこと。「盗聴の部屋I」(ルネ・マグリット) - 部屋いっぱいに、巨大なリンゴが描かれている。 「身の廻り品」(ルネ・マグリット) - 部屋の中に家具より大きなくしやグラスなどがある。 時間のデペイズマン - 絵の一部が夜なのに、他の一部が昼であったりする。「光の帝国」(ルネ・マグリット) 材質のデペイズマン - 物の形はそのままで素材がまったく異質なものに置きかえられている。「毛皮の朝食」(メレット・オッペンハイム) - コーヒーカップが毛皮でおおわれている。 「旅の思い出」(ルネ・マグリット) - 石でできた巨大なリンゴとナシ。 人体のデペイズマン - 上半身が魚なのに下半身が人間であったり、上半身が石膏像なのに下半身が人間であったりする。あるいは、体の一部に木目が入っている、石膏像が血を流している、靴の先が足になっているなど。「共同発明」(ルネ・マグリット) - 波打ちぎわに上半身が魚・下半身が人間の体をした生き物が横たわっている 「陵辱」(ルネ・マグリット) - 女性の顔が女性の裸体の前面になっている。
※この「デペイズマンの例」の解説は、「デペイズマン」の解説の一部です。
「デペイズマンの例」を含む「デペイズマン」の記事については、「デペイズマン」の概要を参照ください。
- デペイズマンの例のページへのリンク