デデキント切断
(デデキントの切断 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/25 16:17 UTC 版)
この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注によって参照されておらず、情報源が不明瞭です。
|
デデキント切断(デデキントせつだん、英: Dedekind cut)、あるいは単に切断 (独: Schnitt) とは、リヒャルト・デデキントが考案した数学的な手続きで、実数論の基礎付けに用いられる。
定義
全順序集合 K を、一方が他方の全ての元よりも小であるような二つの組に分けたとする。
- K = A ∪ B, A ≠ ∅, B ≠ ∅; a ∈ A, b ∈ B ⇒ a < b.
このような組 (A, B) をデデキント切断という。
概論
以下では全順序集合Kとして有理数をとり、「切断が一つの数を確定する」ことを公理に採用して有理数の"隙間"を埋める形で、実数を構成する。仮に上記のA,Bをそれぞれ下組、上組としておく。
有理数の切断を与えることで、切断に対応する実数をただ一つ定めることができる。
一般に全順序集合の切断には、四つの場合が考えられる。
有理数の場合、稠密性から任意の二つの有理数の間に無数の有理数が存在するため、切断1は不可能である。切断2および切断3の場合は、それぞれ下組の最大元、上組の最小元にあたる有理数に対応し、切断4の場合は、無理数に対応する。
上記の方法による実数の定義は、実数の連続性と同値である。 実際、上記の方法で構成された実数に対して切断を行った場合、切断4は不可能となり、切断2もしくは切断3のいずれかになるため、対応する境界の元がただ一つ定まる。これをデデキントの定理と言う。
参考文献
- デーデキント『数について ―― 連続性と数の本質 ――』河野伊三郎訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1961年。ISBN 4-00-339241-8。
- リヒャルト・デデキント『数とは何かそして何であるべきか』渕野昌訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2013年。 ISBN 978-4-480-09547-3。
- 松坂和夫『解析入門1』岩波書店。
- 有理数の切断による実数の構成が具体的に書かれている。
- 小平邦彦『軽装版 解析入門〈1〉』岩波書店
- 有理数を既知のものとし、デデキント切断を用いて実数を定義している。
関連項目
外部リンク
- Weisstein, Eric W. "Dedekind Cut". MathWorld (英語).
デデキントの切断 (第29話 『デデキントの切断』)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:17 UTC 版)
「Q.E.D. 証明終了」の記事における「デデキントの切断 (第29話 『デデキントの切断』)」の解説
有理数体を完備化して実数体を構成する方法の一つ。切断とは簡単に言うと、“ある数”より小さい有理数の集合のこと。この“ある数”が有理数の範囲に収まらず実数となるので、これを実数の定義とする。
※この「デデキントの切断 (第29話 『デデキントの切断』)」の解説は、「Q.E.D. 証明終了」の解説の一部です。
「デデキントの切断 (第29話 『デデキントの切断』)」を含む「Q.E.D. 証明終了」の記事については、「Q.E.D. 証明終了」の概要を参照ください。
- デデキントの切断のページへのリンク