デジタル‐タトゥー【digital tattoo】
デジタルタトゥー
デジタルタトゥーとは、ウェブ上ではデータやログがいったん記録されたら永続的に残り続け、消すことはできない、という意味で用いられる語である。
デジタルタトゥーの語は、2013年2月に「TEDカンファレンス」で言及されたことで広く知られるようになった。2012年から2013年にかけて「リベンジポルノ」やツイッター悪ふざけ投稿問題が世間的に大きく取り沙汰され、「Snapchat」や他のスナップチャット系アプリのように画像を確実に削除するコミュニケーション手段が広く人気を獲得した。
あるいは、タトゥーのように肌や着衣に貼って利用できるスマートデバイスを、デジタルタトゥーまたは電子タトゥーのように呼ぶことがある。Motorolaは2013年に米国で電子タトゥー(electronic skin tattoo)に関する特許を申請している。
デジタルタトゥー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 06:13 UTC 版)
デジタルタトゥーとは、インターネット上で公開された書き込みや個人情報などが一度拡散してしまうと、完全に削除するのが不可能であることを、「入れ墨(タトゥー)を完全に消すことが不可能」であることに例えた比喩表現である[1][2]。
概要
2013年のTEDカンファレンスにおいて、メキシコ出身の研究者で、生物科学関連の投資ファンドの役員であるフアン・エンリケスが行なった講演の中で言及され、注目を浴びるようになった[3]。
当事者が、電子掲示板・ブログ・SNSなどに書き込んだコメントや、掲出した画像はしばしば当人の意図に反して繰り返し複製され、インターネット上で急速に流布・拡散することがあり(いわゆるストライサンド効果)、後から削除しようとしても、結果的に「半永久的に残り続けること」になる[2]。さらに、日常的な行動の結果として記録される、位置情報、顔認識、検索履歴、閲覧・視聴履歴、その他のデジタルデータも、恒久的に蓄積されていくものであり、デジタルタトゥーの一種とされる[3]。
日本では、2013年に、後に「バイトテロ」や「バカッター」と称される一連の事件が注目を浴びた際に、関与したものたちの個人情報や、消去された画像などが別の形で流布するといった事態が関心を集め、デジタルタトゥーという表現も普及が進んだ[4]。2017年には同名の小説も発売されている[5]。
脚注
- ^ “IT用語辞典バイナリ デジタルタトゥー”. Weblio, Inc. 2014年7月12日閲覧。
- ^ a b 石川祐司 (2014年6月29日). “[三山燦々]デジタルタトゥー”. 読売新聞・東京朝刊・群馬: p. 25. "ネット上で1度投稿された記録が消えることはなく、半永久的に残り続けることを表す造語だ。軽い気持ちで投稿した記述や画像が、瞬く間に拡散する。人生を台無しにしてしまうこともある。便利なネット社会の負の側面だ。" - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ a b 松村太郎 (2013年8月13日). “「デジタルな日常」を生きる 【新連載】あなたの情報は、死んでもネット上を漂い続ける… 「デジタル・タトゥー」 問題とは何か?”. ダイヤモンド社. 2014年7月12日閲覧。
- ^ 桑村朋 (2014年2月21日). ““不死”の恐怖「デジタルタトゥー」…ネットから消えない投稿、軽率な「ワンクリック」が人生を壊す”. 産經新聞. オリジナルの2014年2月23日時点におけるアーカイブ。 2016年2月9日閲覧。
- ^ “デジタル・タトゥー”. 自由国民社. 2018年12月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Your online life, permanent as a tattoo - TEDトークにおけるフアン・エンリケスの講演
- デジタルタトゥーの恐ろしさについて - 千葉県ホームページ
- デジタルタトゥーのページへのリンク