テレフタル酸製造法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 08:32 UTC 版)
テレフタル酸(12)の製造法としては、p-キシレン(10)を原料とするAmoco法、フタル酸ジカリウム塩(16)を原料とする第一Henkel法、二分子の安息香酸カリウム塩を原料とする第一Henkel法、p-キシレン(10)をアンモ酸化したフタロニトリル(18)をアルカリ加水分解する方法などが知られている。Amoco法(図の経路10〜15) Mn塩あるいはCo塩を利用する液相空気酸化でp-キシレン(10)を空気酸化する場合は、一段階目のp-トルイル酸(11)で酸化反応が停止する欠点がある。これを反応系内にメタノール等を共存させ、生成される11を系中でエステル体(13)として、二段階目の酸化反応とエステル化反応を経てジメチルテレフタレート(Dimethyl terephtalate, 15)を介してテレフタル酸(12)を製造する。この方法の利点は遊離酸もジエステル体もポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)の原料モノマーであることと、テレフタル酸(12)が高沸点、難溶化合物であり、合成繊維向けグレードの高純度製品に精製が困難である欠点を、精製が容易なジエステル体段階で精製することで回避できる点である。
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