ツヴィングリの思想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)
「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「ツヴィングリの思想」の解説
詳細は「フルドリッヒ・ツヴィングリ」を参照 フルドリッヒ・ツヴィングリは後世に「ツヴィングリ派」ともいうべき固有の宗派を残さなかったため、その業績はややもすると限定的に捉えられがちだが、彼をルターやカルヴァンらと比べて二次的な地位に留めることは適切であるとはいえない。ツヴィングリの思想は多くの点でルターとの一致を示すものの彼とは異なり、人文主義やスコラ学の著しい影響が認められるのであり、ツヴィングリをルターの亜流と見なす考えはこの点で明らかな誤解に基づいている。 ツウィングリは聖書原理の実現を図り、四旬節における肉食禁止の廃棄、聖書に根拠のない聖人崇拝の廃止、修道院制度の廃止、聖職者の独身制の解除などを主張し、生活全般が「聖書のみ」によって規定されるべきであると説いた。そして、信仰義認をいっそう明確にして宗教を含めた生活の監督は信徒の共同体(ゲマインデ)により、つまり教会ではない住民の自治組織によって行われるべきだとした。ツヴィングリはこのような自治組織の権威は神に由来し、聖書の解釈をする権威さえも保持していると唱えたのである。
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