ダウラターバード要塞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:07 UTC 版)
「ダウラターバード」の記事における「ダウラターバード要塞」の解説
高さ200メートルの円錐状の丘の上に築かれたダウラターバード要塞は、中世インドで最強の要塞の一つであった。今なお、見る者を圧倒する景観を保っている。城壁を含めた要塞の総面積は、およそ62.7ヘクタールにも及んでいる。要塞が聳える硬い岩の丘は、その緩やかな斜面部を削り取って造られた強固な防御用断崖と深い水堀を持ち、その周囲は三重の城壁で囲まれている。防御用断崖と水堀は、二人がやっと並んで歩けるほど狭い幅の革でできた巻き上げ式の吊り橋によって連絡されており(現在は鉄筋製)、この吊り橋を巻き上げることにより攻城軍の侵入を防ぐ事ができた。城壁は、鉄鋲で強化された堅い門と巨大な稜堡で強固に武装化されている。要塞内には貯水池があり、その幾つかは乾季でも水が涸れる事の無いように、外部の山岳地帯にある巨大な貯水池から水力学を応用して水を引けるようになっていた。 次世代に引き継がれ、あるいは引き継いだ王朝が変わるごとに、ダウラターバード要塞は拡張され、幾つかの構造物が加えられてきた。今日、ダウラターバード要塞は、堀や武装化城壁に加えて、階段状城壁、宮廷邸宅、寺院、チャーンド・ミーナール(1447年に建てられた4つの階よりなる光塔で、高さは30m、基部周囲21mある。当時は、光沢のあるタイルと彫刻で覆われており、まさに光り輝く塔だったと伝えられている)、大広間、暗黒通路(要塞本丸内の曲がりくねった暗闇の通路で、攻城軍を滅ぼす様々な恐ろしい仕掛けを持っている。これまでに突破できた軍勢は、未だかつてない)。そして、岩をくりぬいたままで未完成の石窟も、いくつか発見されている。
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