ソフトローへの研究と、普及の運動について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 05:23 UTC 版)
「遠藤直哉」の記事における「ソフトローへの研究と、普及の運動について」の解説
遠藤は日本におけるソフトロー研究の第一人者である。ソフトローとはハードローの対義語で、あえてバッファを持たせた法律運用を行うことで、変化の激しい現代社会に対応できる、実効性のある法治社会を実現させようという考えである。欧州、米国で唱えられだしている、新しい法的アプローチなのだが、遠藤は早い段階からこの考えに着目し、研究及び普及のための活動を行ってきている。 以下、ソフトローについて解説している遠藤の著書の一節を紹介する ハードローとは一般的に法律、法令、条例を指します。(中略)一度成立したハードローをなくしたり変えたりということは至難の業です。たとえば法律は、国会で衆議院と参議院で議決されなければ成立しません。逆に、その取消にも国会を経ることが不可欠です。時代の変化と共に実態の合わなくなった法も、勝手に廃止したり修正したりは出来ないのです。(中略)成立したときはともかく、そのあとの時代の変化で、国民の権利や利益を侵害する悪法となった場合にも、それを変えることは簡単ではありません。(中略)ところが、そのように忘れられていた法律が突然、ゾンビのように復活し、権力の都合で適用、乱用されることがあるのです。そうした問題に対処できる方法に、ソフトローの活用があります。(中略)そして、実はこのソフトローこそ、世のなかの「法」のなかで法律よりはるかに数が多く、融通が利き実用的なもので、積極的に使えば本当の意味で我々の生活をさらに生きやすくしてくれる力をもつものなのです。 遠藤はこの考えを用いることで、法律と現実との乖離という、現代の日本が抱える問題を、根本的に解決できると唱えている。
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