ゼウス

世界宗教用語大事典

ゼウス 【Zeus】

ギリシア神話の最高神。名は空を意味するインド・ヨーロッパ語系の言葉からきており、元来インドゲルマン族の空と光明の神格化であったのが、ギリシアでは空を支配すると共に政治・法律・道徳などの人間生活をも支配する神とされた。また、雷電神。ギリシアの名家はその祖を神の子に求めたので、ゼウスは人間の女性やニンフ（妖精）との交わりによる子供が次第に多くなったと話が増幅されていった。ローマ神話のジュピターに当たる。巨人神クロノスの子とされ、父にそむいて世界の支配権を奪取し、ヘラを妃とし、アポロンやアテネの父となったとされる。正義を守り、義理を重んじ、秩序と安寧を司る神で、諸神をも統率する。