セルビア語改革の業績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 23:22 UTC 版)
「ヴーク・カラジッチ」の記事における「セルビア語改革の業績」の解説
セルビア語の文章語は、18世紀にロシア正教による教会スラヴ語から著しい影響を受けていた。カラジッチは「話すとおりに書き、書いたとおりに話す」を大原則に掲げ、セルビアの口語(主にシュト方言)に基づいて不自然なキリル・アルファベット18文字を除き、6つの新しい文字(ј љ њ ћ ђ џ)を作成した。当初は教会上層部や保守派知識人からの反対を受けたが、1847年の口語訳の新約聖書出版を機に情勢は改革派に傾く。これによりセルビア語の「一音一字」「言文一致」に基づく正書法が確立した。クロアチア側でもリュウデヴィド・ガイ(英語版)による文語改革が進められ、クロアチア語のラテン・アルファベットが確定した(ガイ式ラテン・アルファベット)。この文字はカラジッチの提唱したキリル・アルファベット30文字と1対1で対応している。これらの功績が呼応し合って後のセルビア・クロアチア語統一に至る道筋となり、後世に大きな影響を与えた。 なお、文化的側面の異なるセルビアやクロアチア、ボスニアに統一言語が受け入れられたのは、南スラヴ人による国家建設を目指す当時の社会情勢に合致したという側面もある。
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