セックス博物館とは? わかりやすく解説

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セックス博物館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 01:47 UTC 版)

New York City's Museum of Sex

セックス博物館性博物館セックスミュージアムsex museum)とは、エロティック・アートや歴史的な性具エロティカの歴史に関する資料などを展示する博物館のことである。

そのような資料や物を収集した博物館は、1960年代末から1970年代にかけての性革命の時代にヨーロッパで流行した。

1990年代以降、露骨な表現を避けて「セックスミュージアム」ではなく、「エロティックミュージアム」や「エロティックアート・ミュージアム」と呼ばれることが多い。

一覧

以下に世界のセックス博物館の一覧を示す。

アジア

日本大分県別府市鉄輪温泉の白池地獄の隣に存在した「別府秘宝館

中国

  • 1999年、中国初の性博物館が上海の中心部にオープンし、2001年には郊外に移転した。設立者である性科学者リウ・タリン英語版博士の名前をとって「タリン文化展」と呼ばれたり、「古代中国性文化博物館」などと呼ばれたこともある。2004年初頭には再び同里英語版に移転し、現在は「中国性博物館(China Sex Museum)」として、3000点以上のエロティックな芸術品が展示されている[1][2]

インド

韓国

  • 2003年、韓国初のセックス博物館「アジア・エロス・ミュージアム(Asia Eros Museum)」がソウル仁寺洞にオープンした[4]。その後、同館は閉鎖された。
  • 5年間の法廷闘争を経て、2006年3月に個人収集家のKim Whan Baeが済州島西帰浦市に「セックスと健康博物館(Museum of Sex and Health)」をオープンした[5]
  • 2004年にオープンした韓国の済州島の「済州ラブ・ランド」は、セックスをテーマにした野外彫刻公園で、性教育映画を上映し、さまざまな性的体位をとる人間を表現した140点の彫刻を展示している。

日本

  • 日本には、「秘宝館」と呼ばれる性風俗博物館が全国各地に存在する。観光地や温泉地のアミューズメント施設内にあり、組織ではなく個人で運営されているのが一般的となっている。その歴史は1960年代から70年代に遡るが、近年はこうした年配の男性向けのアミューズメント施設は減少し、1990年代から2000年代にかけてほとんどの性風俗資料館が閉鎖された[6][7][8][9][10]

オセアニア

オーストラリア

  • 2001年、キャンベラに小さな「National Museum of Erotica」がオープンし、コレクションを増やし続けたが、その後すぐに閉館した[11]

ヨーロッパ

オランダ

フランス

  • パリエロティズム美術館英語版は1997年にオープンしたが、2016年に廃館した[12]

ドイツ

 デンマーク

スペイン

  • バルセロナのエロティカ美術館(Museo de la Erotica)は1996年に開館した[16]

ロシア

イタリア

  • 特にセックス博物館というわけではないが、ナポリの国立考古学博物館は、2000年にその秘密の部屋英語版にある歴史的なエロティック・アートの膨大なコレクションを一般に公開した。展示品のほとんどはギリシャ・ローマ時代のもので、その多くは近隣のポンペイから出土したものである[20]
  • 2006年2月、イタリアヴェネツィアに、ヴェネツィアのエロティックな歴史と歴史的・現代的なエロティック・アートを展示するエロティック美術館スペイン語版がオープンした[21]

イギリス

 チェコ

  • チェコ共和国プラハにあるセックスマシーン博物館英語版は、「機械的なエロティック器具の展示で、その目的は性交中に快楽をもたらし、非日常的で珍しい体位を可能にすること」である。館内には、「200以上のオブジェや機械器具が展示され、エロティックなテーマのアートギャラリー、古いエロティック映画を上映する映画館、エロティックな衣類など、その他人間の性欲に関する多くのものが展示されている[22]

 リトアニア

ギリシャ

  • アテネ初のセックス博物館「Kama Sutra: the World Museum of Erotic Art」が、2012年にオモノイアセンターの44 Kapodistriou Streetにオープンした[23]

ポーランド

  • 2011年、ポーランド初のエロティック美術館がワルシャワにオープンし、2,000以上の品々を展示している。そこでは、世界中のアーティストによるエロティックな魅力を醸し出す美術品が飾られている[24]。2012年初め、移転場所を探し、美術館の維持費用を確保するために、美術館は閉鎖された。

 ハンガリー

  • 2019年、ブダペストに「Erotic&Sex Museum」がオープンし、セックスアートギャラリーやBDSM用具の展示が行われている[要出典]

 ウクライナ

北米

アメリカ合衆国

  • シカゴレザー・アーカイヴ&博物館英語版は、「レザーキンクフェチBDSMの歴史と文化を扱うコミュニティ・アーカイヴ兼図書館兼博物館」としてチャック・レンスロー英語版とTony DeBlaseによって1991年に設立された[25][26]
  • ニューヨーク市ミュージアム・オブ・セックス英語版は2002年にオープンした[27]
  • 2004年1月にハリウッドハリウッド・エロティック・ミュージアム英語版がオープンした。しかし、この博物館は現在閉鎖されており、現在は同建物にFrederick's of Hollywoodの小売店が入居している[28]
  • 2005年10月16日、マイアミビーチ世界エロティック美術館英語版がオープンした[29]
  • ラスベガスエロティック遺産博物館英語版は2008年8月3日にオープンした[30]。「24000平方フィートで世界最大のエロティック博物館」と謳っている。
  • ネバダ州バージニアシティの「Julia C. Bulette Cafe, Saloon, and Red Light Museum」は、コムストック・ロードのブームタウンにあったレストランに併設された小さな博物館であった。殺害された地元の女主人であるジュリア・バレッテ英語版にちなんで命名された。しかし、2020年には閉鎖された[31]

南米

ブラジル

関連項目

脚注

  1. ^ Travel Channel – Error Archived 2005-11-18 at the Wayback Machine.
  2. ^ China Sex Museum Archived 2005-08-18 at the Wayback Machine.
  3. ^ Chadha, Monica (2002年11月26日). “India's first sex museum”. BBC News. http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/2514387.stm 2010年5月23日閲覧。 
  4. ^ Gluck, Caroline (2003年5月24日). “Sex museum opens in Seoul”. BBC News. http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/2934948.stm 2010年5月23日閲覧。 
  5. ^ Yetter, Christian (2011年2月6日). “Sex museum seeks to educate, not to shame”. The Jeju Weekly. http://www.jejuweekly.com/news/articleView.html?idxno=1227 2020年10月12日閲覧。 
  6. ^ 熱海秘宝館”. www.chowchow.gr.jp. 2017年7月21日閲覧。
  7. ^ 鬼怒川秘宝殿”. www.chowchow.gr.jp. 2017年7月21日閲覧。
  8. ^ 鳥羽SF未来館”. www.chowchow.gr.jp. 2017年7月21日閲覧。
  9. ^ 元祖国際秘宝館”. www.chowchow.gr.jp. 2017年7月21日閲覧。
  10. ^ 別府秘宝館”. www.chowchow.gr.jp. 2017年7月21日閲覧。
  11. ^ National Museum of Erotica”. Body politics home page. 2014年8月28日閲覧。
  12. ^ Document sans nom”. www.musee-erotisme.com. 2017年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月21日閲覧。
  13. ^ Erotic Art Museum Hamburg”. www.eroticartmuseum.de. 2017年7月21日閲覧。
  14. ^ Beate Uhse Erotik-Museum”. 2005年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月11日閲覧。
  15. ^ Museum-Erotica”. Museum Erotica. 2017年7月21日閲覧。
  16. ^ Erotic Museum of Barcelona”. www.erotica-museum.com. 2017年7月21日閲覧。
  17. ^ The First Russian Sex Museum will Exhibit Rasputin's Penis”. waytorussia.net (2009年8月7日). 2017年7月21日閲覧。
  18. ^ Kristin Winet (2015年6月24日). “Rasputin Was Poisoned, Shot, Beaten, and Drowned. But Did His Penis Survive?”. 2019年10月14日閲覧。
  19. ^ “Art and design, Art (visual arts only), World news, Russia (News), Life and style, Sex (Life & style), Culture, South and Central Asia (News)”. The Guardian (London). (2011年7月12日). https://www.theguardian.com/artanddesign/gallery/2011/jul/12/moscow-sex-museum 
  20. ^ “Naples museum exposes public to ancient erotica”. CNN. オリジナルの2009年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090518082231/http://archives.cnn.com/2000/STYLE/arts/08/01/erotic.art/ 2010年5月23日閲覧。 
  21. ^ museodarteerotica.it”. www.museodarteerotica.it. 2011年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月21日閲覧。
  22. ^ SexMachinesMuseum”. SexMachinesMuseum (1997年2月26日). 2013年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月17日閲覧。
  23. ^ Ανακοινωση – Αναγγελια Πολιτιστικου Γεγονοτος” [Notice – Announcement of a Cultural Event] (ギリシア語). Erotica Museum. 2012年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月16日閲覧。 “Ιδρύθηκε και άρχισε να λειτουργεί το παγκόσμιο Μουσείο Ερωτικής Τέχνης "Καμα Σουτρα", επί της οδού Καποδιστρίου 44 στην πλατεία Βάθης από 12/2/12. [The World Museum of Erotic Art "Kama Sutra" was founded and started to operate, on 44 Kapodistriou Street in Vathis Square from 12/2/12.]”
  24. ^ (英語) Museum history”. muzeumerotyki.com. 2011年8月27日閲覧。
  25. ^ About the LA&M - Leather Archives & Museum”. Leatherarchives.org. 2019年12月16日閲覧。
  26. ^ Ridinger, Robert (2005). “Founding of the Leather Archives & Museum”. LGBT History, 1988-1992 [serial online] (LGBT Life with Full Text, EBSCOhost): 33–36. 
  27. ^ Museum of Sex - NYC”. MoSEX. 2017年7月21日閲覧。
  28. ^ The Erotic Museum”. www.theeroticmuseum.com. 2017年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月21日閲覧。
  29. ^ WEAM - World Erotic Art Museum - WEAM - World Erotic Art Museum”. www.weam.com. 2017年7月21日閲覧。
  30. ^ 2008 - Living Las Vegas”. Living Las Vegas. 2017年7月21日閲覧。
  31. ^ Julia Bulette Red Light Museum (Closed)”. Roadside America. 2021年6月12日閲覧。

外部リンク




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