セックス・マターズ
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セックス・マターズ(英語: Sex Matters)は、イギリスにおけるトランスジェンダーの権利に反対する活動を行っているロビー団体。
活動
セックス・マターズは2020年10月26日に設立され、イギリスのロンドンを拠点としており、当初はマヤ・フォーステイター、レベッカ・ブル、アン・パーマーの3人が所属していた[1]。設立時はマヤ・フォーステイターは組織のCEOに就任していた[2][3][4]。2021年1月にアン・パーマーが外れ、ナオミ・カニンガムとエマ・ヒルトンが新たに加わった[1]。
セックス・マターズ自身は自らを「すべての人の人権、健康、安全、尊厳を守るために、言語、政策、法律において性(sex)についての明確さを主張する非営利団体」と説明している[1]。
トランスジェンダーの権利に反対しており、イギリスにおけるトランスジェンダーを包摂する法律に反対する複数の訴訟に関与してきた[2][4][5]。2010年平等法に関してフォー・ウィメン・スコットランドがイギリスの最高裁判所に訴えた事案に介入しており、2025年4月、「2010年平等法における『女性(woman)』および『性別(sex)』という用語は、生物学的な女性および生物学的な性別を指している」という判決が下された[6]。
また、トランスジェンダーを対象に含めた転向療法の禁止に懸念を表明し、この禁止は「ジェンダー・イデオロギーに対する反対意見を犯罪化するために利用される可能性がある」と主張した[7][8]。一方で、性別適合手術を転向療法と同一視し、性別適合手術を犯罪とみなす提案も行っている[1]。
他にも、ノンバイナリーの人は「生物学的性別」で扱われるべきであるといった主張や、出生時に割り当てられた性別と性同一性が一致しない人に対して出生時に割り当てられた性別で扱うこと(ミスジェンダリング)は真実なので問題ないという持論を展開している[1]。
評価
社会学者のマクリーンとストレテスキーは、セックス・マターズをCitizenGO、FiLiA、Fair Play for Women、LGBアライアンス、トランスジェンダー・トレンドと並べて「トランスジェンダーの人々に対する反感で団結した、反トランス・キャンペーン団体」の一部であると表現している[9]。
Lemkin Institute for Genocide Preventionはセックス・マターズを「反トランスジェンダーのロビー団体」と断定し、「女性の権利」の名の下にトランスジェンダーやインターセックスの人々に危害を加えようとしていると分析している[5]。
セックス・マターズに関わっている社会学者のアリス・サリバンがまとめた報告書「サリバン・レビュー」は、LGBTQ擁護団体のTransActualとFeminist Gender Equality Networkから、性別とジェンダーの二元性についての事実誤認の主張に基づいていると批判されている[10]。
出典
- ^ a b c d e “Sex Matters”. Trans Data Library (2025年6月9日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ a b Siddique, Haroon (2022年7月6日). “Maya Forstater was discriminated against over gender-critical beliefs, tribunal rules”. The Guardian (London) 2025年8月28日閲覧。
- ^ “What is Sex Matters and how is it involved with the NHS Fife trans doctor tribunal?”. PinkNews (2025年2月5日). 2025年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月28日閲覧。
- ^ a b “Who are Sex Matters? The controversial campaign group” (英語). Evening Standard (2025年7月14日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ a b “Red Flag Alert on Anti-Trans and Intersex Rights in the UK” (英語). Lemkin Institute for Genocide Prevention (2025年6月30日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ “Defining 'sex' in the Equality Act 2010 — Inside the For Women Scotland v the Scottish Ministers appeal” (英語). Law Society of Scotland. 2025年8月28日閲覧。
- ^ Gibbons, Amy; Martin, Daniel (2024年7月10日). “Anneliese Dodds should not be in charge of conversion therapy ban, campaigners urge”. The Telegraph (London). オリジナルの2025年6月19日時点におけるアーカイブ。 2025年8月28日閲覧。
- ^ Walters, Mark Austin (2024). “Legalizing transphobia: from courtroom to legislature, how gender-critical activism is hurting us all” (英語). Journal of Law and Society 51 (3): 343–366. doi:10.1111/jols.12491. ISSN 0263-323X.
- ^ McLean, Anna; Stretesky, Paul B. (2025). “The Influence of Authoritarian Beliefs on Support for Transgender Rights in the UK”. Sociology Compass 19 (7). doi:10.1111/soc4.70088. "A veritable miasma of anti-trans campaign groups have wafted in to public discourse in recent years. These have included, but are not limited to, Authentic Equity Alliance, CitizenGo, FiLiA, Fair Play for Women, Get the L Out, Keep Prisons Single Sex, Lesbian Rights Alliance, LGB Alliance, MayDay4Women, Object!, Safe Schools Alliance, Sex Matters, Transgender Trend, and Woman's Place UK. Although the ostensible focus of these groups is varied, they are united in their antipathy toward transgender people."
- ^ “Government asked to reject 'biased' Sullivan Review by 'gender-critical' academic”. PinkNews (2025年3月21日). 2025年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月28日閲覧。
関連項目
- セックス・マターズのページへのリンク