スロット追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 00:07 UTC 版)
Self のオブジェクトにはスロットを追加可能である。グラフィカルなプログラミング環境でもできるし、'_AddSlots:' プリミティブでも可能である。プリミティブは通常のキーワードメッセージと同様の構文だが、その名前は常にアンダースコアで始まる。_AddSlots プリミティブ自身は古い実装の名残りであるため、使うべきでないとされている。しかし、これを使うとコードを短縮できるため、以下ではあえて解説する。 Vehicle という単純なクラスのリファクタリングで乗用車とトラックで振る舞いを変えることを上の例で示した。Self ではこれを次のように実現できる: _AddSlots: (| vehicle <- (|parent* = traits clonable|) |). '_AddSlots' プリミティブの受信者オブジェクトが明示されていないので、これは "self" に対するものである。これを対話型のプロンプトで入力すると、"self" オブジェクトに相当するのは "lobby" と呼ばれるオブジェクトである。'_AddSlots' の引数はオブジェクトであり、そのスロットが受信者オブジェクトにコピーされる。この例では、それは1つのスロットだけを持つリテラルオブジェクトである。スロット名は 'vehicle' で、その値が別のリテラルオブジェクトとなっている。"<-" という記号は、第一のスロットの値を変更するのに使われる 'vehicle:' という第二のスロットを暗に示している。 "=" は定数スロットを意味するので、'parent*' には対応する 'parent:' が無い。このリテラルオブジェクトは 'vehicle' の初期値であり、クローン作成に関するメッセージを理解できるスロットを1つもっている。完全に空のオブジェクトは、(| |) あるいは単に () で示され、メッセージを全く受け付けられない。 vehicle _AddSlots: (| name <- 'automobile'|). これも、前と同じオブジェクトが受信者であり、'parent*' に加えて新たに 'name' と 'name:' スロットが追加されている。 _AddSlots: (| sportsCar <- vehicle copy |). sportsCar _AddSlots: (| driveToWork = (何かのコード、これがメソッドになる) |). 以前の 'vehicle' と 'sportsCar' はほとんど同じだが、ここでは後者にオリジナルが持っていなかったメソッドを伴うスロットが含まれている。メソッドを持つことができるスロットは定数スロットだけである。 _AddSlots: (| porsche911 <- sportsCar copy |). porsche911 name:'Bobs Porsche'. 新たなオブジェクト 'porsche911' は 'sportsCar' とほぼ同じだが、最後のメッセージでその 'name' スロットの値が変更されている。これらはスロットの値は異なるものの、持っているスロットは同じであることに注意されたい。
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