ステントの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/18 13:56 UTC 版)
素材としては医療用ステンレスである316Lステンレス、タンタル、コバルト合金、ニチノール(英: nitinol、ニッケル・チタン合金) 製法としては、金属製の筒をレーザーカットして形成した物、短いセルを連結した物、ワイヤーを編んで形成したものなどがある。 金属が露出したベアメタルステントと、ベアメタルステントにePTFE膜(センチュリーメディカル社 Niti-s ComViステント)、シリコン膜(ボストン・サイエンティフィック社 胆管用カバードウォールステント)、ポリウレタン膜(ボストン・サイエンティフィック社 ウルトラフレックス気管・気管支用ステント/メディコス・ヒラタ社 胆管用カバードスパイラルZステント)などを被せたカバードステントがある。また、ダクロン膜を被せた胆管用カバードステントも過去には存在した。これらのカバードステントは現在は主に非血管系で多く用いられている。ePTFE膜を用いたカバードステントは主に冠動脈用として用いられている。 薬剤溶出性ステント (Drug Eluting Stents: DES) はベアメタルステントの表面に、細胞増殖を抑制する薬剤を塗布している。薬剤は1~3ヶ月程度で溶出する。薬剤の塗布および溶出のコントロールのためにポリマーを使うのが一般的である。 留置方法から、バルーンエクスパンダブルタイプ(バルーン拡張型)とセルフエクスパンダブルタイプ(自己拡張型)に大別される。主に胸腔内の血管(冠動脈、小児肺動脈など)にはバルーンエクスパンダブルタイプ、それ以外の末梢血管及び胆管、消化管にはセルフエクスパンダブルタイプが用いられる事が多い。 バルーンエクスパンダブルタイプは内側から狭窄部を支え、対してセルフエクスパンダブルタイプは内側から広げ続ける。 大動脈用ステントグラフトもカバードステントの一種で、膜には主にダクロン膜とePTFE膜が用いられている。日本におけるステントグラフトとして、企業製の物が認可されるまでは大口径Zステントにシンウォール人工血管を装着した自作ステントグラフトなどが用いられてきた。現在は企業製の物として以下の物が市場に供給されている。 腹部大動脈瘤治療用 クックジャパン株式会社 ゼニスFlex AAA エンドバスキュラーグラフト ジャパンゴアテックス株式会社 エクスクルーダーY字型ステントグラフトシステム 日本ライフライン株式会社 AFX2ステントグラフトシステム 日本メドトロニック株式会社 ENDURANTステントグラフトシステム 胸部大動脈瘤治療用 ジャパンゴアテックス株式会社 ゴアC-TAG胸部大動脈ステントグラフトシステム クックジャパン株式会社 ゼニスTX2 TAAエンドバスキュラーグラフト 日本メドトロニック株式会社 VALIANT Captivia胸部ステントグラフトシステム テルモ株式会社 RELAY plus 川澄化学株式会社 Najuta
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