ジーン・ディクソン効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 04:42 UTC 版)
「ジーン・ディクソン」の記事における「ジーン・ディクソン効果」の解説
テンプル大学の数学者ジョン・アレン・パウロス(英語版)は、「ジーン・ディクソン効果」という用語を創出した。これは、数多くの外れた予言が忘れられ、少数の当たった予言が宣伝される傾向を指す言葉である。ディクソンの予言については、前述のように多くが外れてきたと指摘されている。しかし、そうした予言の多くは忘れられ、予言の的中を謳う本やテレビ番組では無視され、そのかわりに的中例が強調されるのが普通である。たとえば、前記のモンゴメリーの著書『予言の賜物』では、執筆時に編集部から外れた予言を記載しないようにという圧力があったという。また、前記の『11PM』での予言は、のちに後番組『EXテレビ』でも再利用されたが、そのときにはあたかも的中している予言しかないように編集されていたという。 ほかに、日本では高橋良典がジーン・ディクソンの予言の具体性や明晰さを高く評価し、ディクソンの予言を軸に、他のノストラダムスや聖書などの時期を明記されていない予言を組み合わせていく形で「大予言年表」を作成したことがあった。しかし、その予言の多くが外れたため、1997年の著書に採録された際には、外れた予言の削除や年代の変更が行われた。この結果、過去の的中例と未来の予言の間に6年分の不自然な空白ができてしまった。このことを公刊された文献で最初に指摘した山本弘は、過去の外れた予言の数々を無視して未来のシナリオをほとんど変更しようとしない姿勢に疑問を呈している。 パウロスは、自身が提唱した「ジーン・ディクソン効果」の概念を藪医者、株価予想、テレビ伝道師の予言などにも当てはめ、偶然の一致が偶然以上のものであるかのように錯覚される背景の説明に利用している。また、日本でもいい加減な予言が当たっているかのように認識しがちな背景として、確証バイアスとともに、このジーン・ディクソン効果を挙げる者もいる。
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