シンドバッド
(シンバッド から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 01:53 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2018年6月)
|

シンドバッドは『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』の中の『船乗りシンドバードの物語』(第290夜 - 第315夜)の主人公である船乗りである。名前はペルシア語で「シンド河の長[1]」を意味し、インド洋航路の交易網を舞台に活躍したイスラム商人であることを示唆する名前となっている。
なお、シンドバッドの物語は、「千夜一夜物語」の中の一つとして世界的に知られるが、「千夜一夜物語」の本来のアラビア語の写本には存在しない物語の一つである。1704年に、アントワーヌ・ガランが、アラビア語の写本からフランス語版を出版して、ヨーロッパに初めて「千夜一夜物語」を紹介した際、アラビア語の写本には存在しない話を加えた。それは、以前から所有していたアラビア語の写本で、シンドバッドという商人の冒険物語、すなわち、このシンドバッドの物語である。
名前
アラビア語
アラビア語表記:اَلسِّنْدِبَاد
転写:al-Sindibād
発音:ʾas-sindibād(アッ=スィンディバード)→カタカナ表記「シンドバード」の元
シンドバッドという名前自体はアラビア語ではない外来人名。ペルシア語由来とされており、前半の سِنْد(sind, スィンド)と後半の بَاد(bād, バード)が組み合わさって سِنْدِبَاد(Sindibād, スィンディバード)となった複合名。「スィンド」はシンド河(スィンドゥ河)つまりはインダス河のこと、バード部分はペルシア語の بَاد(bād, 風)ではなく آبَاد(ābād)の方で、ここでは「長、リーダー、指導者」という意味で解釈されるという。これらを合わせた「スィンドバード」で「シンド河(スィンドゥ河、インダス河)の長」になる[2]とされる。
千夜一夜物語に関してはこれに定冠詞がついた اَلسِّنْدِبَاد(al-Sindibād, アッ=スィンディバード)の語形になっていることも多い。海のシンドバッドはこれに「海の」という意味の形容詞をつけた
اَلسِّنْدِبَادُ الْبَحْرِيُّ(al-Sindibād al-Baḥrī, アッ=スィンディバード・アル=バフリー, 実際の発音:アッ=スィンディバードゥ・ル=バフリー)
となる。
英語
英語表記(1):Sindbad
(1)の発音:sín(d)bæd(スィンバド、スィンドバド)→カタカナ表記「シンドバッド」「シンバッド」の元
英語表記(2):Sinbad
(2)の発音:sínbæd(スィンバド)→カタカナ表記「シンバッド」の元
日本語
カタカナ表記としてはシンドバッドの他に、シンドバード、シンバッドなどが見られる。
海のシンドバッドと出身地論争
「シンドバッド(スィンディバード)」自体はモデルになったとされる船乗りがペルシア人で、インド方面など各地へと航海に出ていたことが由来だとされるネーミングである。
シンドバッドの物語はヨーロッパ人の手によって千夜一夜物語に加えられた創作だという説がある一方、アラブ世界では実在したペルシア系人物[3]だと考えられており、アラビア湾(ペルシア湾)地域出身とされる彼が今でいうところのオマン人またはイラク人だったのかそれともクウェート人だったのかをめぐる論争[4]も存在しており、未だに決着を見ていない。
作品
脚注
- ^ 日本では「インドの風(Wind of India、Wind of Sind)」と紹介されてきたがアラビア語圏では زَعِيم نَهْرِ السِّنْدِ(シンド河の長)、英語圏では Lord of Sind、Lord of India といった意味だと説明されている。
- ^ “حقائق مدهشة عن السندباد البحري”. 2023年6月2日閲覧。
- ^ علي, سامية. “ليس بطلا روائيا ولكنه شخصية حقيقية: السندباد البحري.. من أنت؟” (アラビア語). mubasher.aljazeera.net. 2023年6月2日閲覧。
- ^ “سندباد..عراقي من بغداد أم خليجي من الكويت؟” (アラビア語). BBC News عربي (2020年5月7日). 2023年6月2日閲覧。
外部リンク
- 『芥川竜之介 リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて』:新字旧仮名 - 青空文庫
- 国立国会図書館「アラビアンナイトの翻訳事情」 (PDF)
- 国立民族学博物館教授 西尾哲夫「アラビアンナイト断章」全4回シリーズ - ウェイバックマシン(2017年3月28日アーカイブ分)
シンバッド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/11 18:20 UTC 版)
「シンバッド (漫画)」の記事における「シンバッド」の解説
倭人。幼い頃にパン屋のアブドゥルに海で拾われ、長男として育てられる。そのため倭の言葉は全く解さない。幼い頃から肌の色や三白眼を理由に迫害を受けるが、常に逆襲するため、逆に周りからは乱暴者と思われている。ただし、殴り合いの喧嘩はそれほど強くは無い(喧嘩は基本的に不意打ち)。旅立ちの日に(シンバッドが拾われた際に近くに落ちていた)日本刀を母親から手渡され、それを武器として使っている。素潜りが得意で「バハリ(海の妖怪)」というあだ名を持つが、船運が非常に悪く、航海に出るたびに船が沈没・座礁する。
※この「シンバッド」の解説は、「シンバッド (漫画)」の解説の一部です。
「シンバッド」を含む「シンバッド (漫画)」の記事については、「シンバッド (漫画)」の概要を参照ください。
- シンバッドのページへのリンク