サテライト日田問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/20 08:14 UTC 版)
福岡市の溝江建設が日田市に別府競輪(大分県別府市)の場外車券売り場「サテライト日田」の建設を計画。2000年6月7日には通商産業省が設置を許可した。これに対して、6月12日に日田市長と市議会議長が別府市に設置反対の要望書を提出。6月27日には日田市議会が場外券売り場の設置には市長の同意が必要とする条例を可決し、即日施行された。これらの動きを経て、設置に反対する日田市と、設置を推進する別府市との間には対立が深まった。サテライト日田設置反対連絡会は反対署名を5万570人分を集め、別府市長に提出し、「サテライト日田設置反対」ののぼり200本を市内に設置することなどを決め、設置反対の日田市民約280人が別府市内で抗議のデモ行進を行い、設置反対を訴えるなど日田市民によるレジスタンス運動がおこなわれた。 2001年3月19日、日田市は設置許可の無効確認と取消を求め提訴。一審の大分地方裁判所は2003年1月原告適格を欠くとして却下。日田市は福岡高等裁判所に即日控訴した。この裁判において、日田市が主張した「まちづくり権」の概念は、個人には良好な環境で生活する幸福追求権(環境権)があり、地域社会にはそのような環境を作り出す「まちづくり」の権利があるとするもので、注目を集めた。その後、2003年4月には、設置見直しを表明していた浜田博が別府市長に当選。同年11月10日に別府市はサテライト日田の設置断念を発表し、日田市は訴訟を取り下げた。
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