コンフォメーション変化とフォールディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 05:24 UTC 版)
「立体配座」の記事における「コンフォメーション変化とフォールディング」の解説
タンパク質のコンフォメーションは構造生物学的分野の発展とともに理解が深まってきたが、これはコンピュータの発展によるところが大きいといえる。また、タンパク質は結晶構造のような静的なものではなく、ダイナミックに立体構造を変化させていると言うモデルが明らかになってきており、従来のタンパク質像に新しい知見を与えている。特に機能分子である酵素などはその反応にコンフォメーションの変化が深く関わっていると言われている。 また、タンパク質がリボソームで生産されると同時に立体構造を取り始めるが、その折りたたみ過程(フォールディング)は非常に素早く(エネルギー的に低い準位に移るだけなので)いまだよく理解されていない。コンピューター上で仮想のペプチドをフォールディングさせるシミュレーションが行われているが、現実にそうしたペプチドを作成すると再現できない場合が多い。また、カメレオンペプチドというαヘリックス、βシートどちらでも構成することのできるアミノ酸配列も見つかっているが、なぜそのような現象が起きるかということについても理解が深まっているとはいえない。 こういったフォールディングは、タンパク質の配列によって自発的かつ一義的に折りたたまれると考えられてきた。しかし、生体内ではシャペロンと呼ばれる一群のタンパク質が正しいコンフォメーションをとるようにフォールディングを助けていることが解ってきた。このシャペロンは古細菌から哺乳類まできわめて良く保存されており、生体にとって必須の作用を持つと考えられるようになった。
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