ゲーム‐ポートとは? わかりやすく解説

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ゲーム‐ポート【game port】

読み方:げーむぽーと

パソコンジョイスティックなどのゲーム用のコントロール機器接続するためのコネクター端子


ゲームポート


ゲームポート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 16:47 UTC 版)

DA-15コネクタ
サウンドカード上の
ゲームポート
ゲームポート用MIDIケーブル

ゲームポート: game port)はx86ベースのパーソナルコンピュータ(パソコン)にビデオゲーム用の入力デバイス(ゲームコントローラ)を接続するレガシーインターフェースである。通常の場合、ISAまたはPCIのI/Oカードやサウンドカード、いくつかのマザーボードではオンボード上に実装している。

概要

ゲームポートはD-subのDA-15コネクタ(DB-15と誤って呼ばれている場合もある)を採用しており、1コネクタにつきアナログ入力、デジタル入力をそれぞれ4系統備えている。当初想定されていた利用方法はアナログ2軸+1トリガボタンのジョイスティックを2つ、あるいはパドルコントローラを4つ接続するというものであった[1]。1980年代に日本のパソコンで利用されていたいわゆるアタリ仕様のジョイスティック端子においては方向入力がデジタル端子によって行っており基本的に「どの方向にスティックが傾いているか」のみを読み取るものであったが[2]、ゲームポートにおいてはスティックの傾きの程度も読み取り可能である。

MIDIポート

ゲームポート (特にサウンドカードに実装されているもの) のコネクタの余剰・重複端子にはMIDI信号も配線されていることが多い(Pin15にMIDI IN、Pin12にMIDI OUT)。これはゲームのBGM再生にMIDIが用いられた経緯による[要出典]

MIDI規格では入出力端子に5ピンDINコネクタが規定されており、また信号を電流値として渡すようになっている。一方ゲームポートは上記のようにDA-15コネクタであり、かつ信号は電圧値として渡すようになっている。そのため、ゲームポートにMIDI機器(MIDIケーブル)を直接接続することはできず、電圧-電流変換回路を備えた[3]変換コネクタや変換ケーブルを必要とする。ゲームコントローラの利用と音源モジュールによるBGM再生を同時に行うためにはゲームポートとMIDI OUTポートを併用する必要があり、そのような目的のために左記のコネクタ変換を兼ねた分岐ケーブル(オスとメスのDA-15と2つのオスの5ピンDINコネクタを備える)が用意されている。

MIDIポート用のハードウェアとデバイスドライバは、ローランドのMPU-401 MIDI インタフェース(UARTモードのみ)を基本としており、WindowsやMS-DOS用の多くのMPU-401用アプリケーションをサポートしている[4]。MIDIポートの公式な設計はMMAがウェブサイト上で公開している[1]

歴史

ゲームポートは初代IBM PC (model 5150) が登場した時点で純正のオプションカードとして提供されていた[1]。IBM自身が純正のジョイスティックを提供しなかったこともあり[5]普及は進まなかったが、デファクトスタンダードとなったサウンドカードであるSound Blasterに標準採用されたことにより標準的なジョイスティック端子として幅広く利用されるようになった[6]。以前からパラレルポートシリアルポートPS/2コネクタなどをゲームコントローラ用のポートとして使用する試みもあったが、最終的には上記のようにゲームポートに取って代わられることになった。

後にSound Blaster互換の音源がマザーボードに搭載されるようになり、それとともにゲームポートも搭載されるようになった。このようなマザーボードにおいてはMIDIポートやゲームポートの設定 (I/Oアドレス等) をBIOS上で設定が可能になっている。

その後1990年代後半にはプラグアンドプレイ性に優れたUSBが登場し、標準的なゲームコントローラコネクタとして定着していった。しかし、機器側にインテリジェントなコントローラを必要とせず機器を安価に製造可能であるという利点もあり、ゲームポート接続のアナログジョイスティックやゲームパッドは選択肢の一つだった。

USBが普及した2000年代以降ではゲームポートをマザーボードに内蔵したPCはほとんど見られなくなった。また、サウンドカードからもゲームポートが省略されるようになった[7]

また、Radio Shackのような小売業者はUSB上で古いゲームコントローラを使うためのアダプタを販売していた。

ゲームポートの詳細

回路 (コントローラ側)

スティック等のアナログ入力は電源 (Vcc、5V) と各アナログ端子 (3、6、11、13ピン) との間に100kΩ可変抵抗を接続することが推奨されている。また、デジタル入力は各端子 (2、7、10、14ピン) とGNDの間にトリガボタン等のスイッチを接続する。

回路 (インターフェース側)

デジタル入力に関しては (アタリ仕様のものと同様) 各入力端子を電源電圧でプルアップすることでGNDとの短絡が発生したか (=機器側のスイッチが操作されたか) を検出するようになっている。

一方、アナログ入力に関してはワンショットタイマ回路を用いて可変抵抗の値をパルス生成時間に変換することによって、CPUが可変抵抗の値を間接的に読み取れるようになっている。IBMの純正カードにおいては可変抵抗の値rとパルス生成時間Timeとの間には下記の式が成り立つ[1]




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