クリシュナ物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/01 08:17 UTC 版)
ヤーダヴァ族の王カンサ(英語版)は多くの悪行を働いていた。神々は対策を協議し、ヴィシュヌがカンサの妹(姪とも)デーヴァキーの胎内に宿り、クリシュナとして誕生するよう定めた。ある時カンサはデーヴァキーとその夫のヴァスデーヴァを乗せた馬車の御者を務めていた。都への途上、どこからか「デーヴァキーの8番目の子がカンサを殺す」という声が聞こえた。恐れをなしたカンサはヴァスデーヴァとデーヴァキーを牢に閉じ込め、そこで生まれてくる息子たちを次々と殺した。デーヴァキーは7番目の子バララーマ(英語版)と8番目のクリシュナが生まれると直ちに、ヤムナー河のほとりに住む牛飼いのナンダ(英語版)の娘(同日に生まれた)とすり替え、2人をゴークラ(英語版)の町に逃がして牛飼いに預けた。 クリシュナは幼い時からその腕白さと怪力を発揮し、ミルクの壷を割ったために継母のアショーダー(英語版)に大きな石臼に縛られた際にはその臼を引きずって2本の大木(ナラクーバラとマニグリーヴァ)の間にすり寄り、その大木を倒した。また、ヤムナー河に住む竜王のカーリヤが悪事をなしたことからこれを追い払った。インドラの祭祀の準備をする牛飼いたちに家畜や山岳を祭ることを勧めた際は、これに怒ったインドラが大雨を降らせたが、クリシュナはゴーヴァルダナ山(英語版)を引き抜いて1本の指に乗せ、牛飼いたちを雨から守った。成長したクリシュナは牛飼いの女性たちの人気を集めたが、彼はその1人ラーダーを愛した。 一方カンサはクリシュナが生きていることを知り、すぐさま配下のアスラたちを刺客として送り込むが、悉く返り討ちにされた。そこでカンサはクリシュナとバララーマをマトゥラーの都へ呼び寄せて殺害を謀るもクリシュナに斃された。クリシュナの武器はヴィシュヌ神のスダルシャ・チャクラ(円盤)であるまた、相手の生命力を吸い取ったり、自在に体の大きさや重さを変えることも可能であった。
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