クリサキテントウとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 18:10 UTC 版)
「ナミテントウ」の記事における「クリサキテントウとの関係」の解説
ナミテントウと斑紋の似たテントウムシは他にもいるが、特にクリサキテントウ(Harmonia yedoensis (Takizawa, 1917))は長年ナミテントウのシノニムとされていた種で、複数の比較研究がされている。斑紋がナミテントウと似通っており、外見での識別は困難だが、幼虫の外見が異なる。またナミテントウは鞘翅に「ひだ」が現れる個体と現れない個体がいるが、クリサキテントウでは見られないため、ひだのあるものは全てナミテントウである(ひだのないものがクリサキテントウとは限らない)。ナミテントウが広範に生息するのに対し、クリサキテントウは松の葉にしか見られない(ナミテントウも松に見られる)。生殖的にも完全な別種であり、実験環境ではナミテントウとクリサキテントウは交尾し産卵するが、その卵が孵化することはない。 1971年に佐々治寛之によりナミテントウの集団の中から発見され、1917年に記載されていた「ヅボシテントウ Ptychanatis yedoensis Takizawa」であることがわかり、原記載者の栗崎眞澄(記載当時は瀧澤眞澄)にちなんで新たに和名がつけられた。発見経緯は佐々治の著書『テントウムシの自然史』に詳しい。 本種は松につくマツオオアブラムシの捕食に特化しているが、飼育下では普通のアブラムシで問題なく飼育できるため、なぜ松に特化しているのかは佐々治も結論が得られていなかった。これについては鈴木紀之がナミテントウと複数の比較研究を行い、著書でも紹介している。鈴木によると、盛口満の著書でも触れているようにナミテントウが分布しない南西諸島では松以外にも見られる(後述するが、これらより後の文献で南西諸島でのナミテントウの記録が書かれている)。
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