キークリック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 04:48 UTC 版)
連続波による情報伝達は、電鍵と呼ばれるスイッチで連続波のオンオフを切り替え、「短点」(トン)と「長点」(ツー)という異なる長さのパルスの組み合わせによりモールス符号の文字を表すことによって行われる。よって、連続波の無線電信の信号は、一定の振幅を持つ正弦波のパルスが無信号の隙間を挟んで構成されている。 オンオフ変調では、通信理論上、搬送波のオン・オフが急激であれば帯域幅は大きくなり、搬送波のオン・オフが緩やかであれば帯域幅は小さくなる。オンオフ変調信号の帯域幅は、データ伝送速度と次のような関係にある。 B n = B K {\displaystyle B_{n}=BK} ここで、 B n {\displaystyle B_{n}} は必要な周波数帯域幅(単位はヘルツ(Hz))、 B {\displaystyle B} はキーイングレート(単位はボー)、 K {\displaystyle K} は予想される電波伝搬条件に関係する定数である。K=1は人間の耳では解読が困難な場合、K=3やK=5はフェージングやマルチパスが予想される場合に使用される。 搬送波を急激に切り替えた送信機が発するスプリアスノイズを「キークリック」(key click)という。このノイズは、通常の急激な切り替えに必要な信号帯域幅よりも、搬送波の上下にある部分で発生する。CWの場合の解決策は、オンとオフの切り替えを緩やかにしてパルスのエッジを柔らかくし丸みを持たせるか、他の変調方式(位相変調など)を用いることである。送信に使用される電力増幅器の種類によっては、キークリックの効果を悪化させることがある。
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