カクミガシ属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 23:55 UTC 版)
カクミガシ属(Trigonobalanus)はカクミガシの新種記載と共に新設された属であり、3種が認められる。カクミガシ以外の2種の学名と分布は以下の通りである。 Trigonobalanus doichangensis (A.Camus) Forman(Wikispecies) トリゴノバラヌス・ドイカンゲンシス(シノニム: Formanodendron doichangensis (A.Camus) Nixon & Crepet フォルマノデンドロン・ドイチャンエンシス、Quercus doichangensis A.Camus) 中国(南西部および雲南省)からタイ北部にかけて分布。最初はコナラ属の Quercus doichangensis A.Camus として記載されたが、コナラ属であるなら雌花は花序に沿って単一で子房には絶対に翼(よく)など見られないにもかかわらず、この種では雌花の花序の基部に対して雌花が3つ組となることから、1964年にこの属に組み替えられた。なおカクミガシの葉が輪生であるのに対し、T. doichangensis のものは互生である。種小名はタイプ標本の産地であるタイ北部チエンラーイ県のチャーン山(タイ語: ดอยช้าง ドーイ・チャーン)に由来する。 Trigonobalanus excelsa Lozano, Hern. Cam. & Henao トリゴノバラヌス・エクスケルサ 1979年に新種記載されたコロンビアの固有種。 コロンビア産の T. excelsa が報告される1年前のことではあるが、中尾佐助はカクミガシ属について「ブナ科の先祖ともいうべき」と形容している。 本属3種のうち2種がアジア産で、1種のみがコロンビアに隔離分布するというのは一見すると突拍子もないが、これはカクミガシ属の地質時代の分布を考慮すればさほど無理なく説明することが可能である。実(じつ)は第三紀の北半球の広域でカクミガシ属と思われる果実の化石が発見されており、カクミガシ属はかつては北半球に広く分布しており、現在は熱帯の山地に細々と生き残っていると推測されるのである。
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