オーストラリアと南太平洋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 14:16 UTC 版)
「エルニーニョ」の記事における「オーストラリアと南太平洋」の解説
エルニーニョ現象の最中に、西太平洋からの降雨量遷移がオーストラリア全土の降雨量を減少させる場合がある。大陸南部の上空では、気象体系がより移動性になって高気圧の遮断域が少なくなるため、平均気温を上回る温度が記録される可能性がある。熱帯オーストラリアではインド-オーストラリアのモンスーン発生が2-6週間遅れ、結果として北部の熱帯地方では降雨量が減少することになる。オーストラリア南東部ではエルニーニョ現象に続いて特にインド洋ダイポールモード現象が組み合わさると、森林火災の季節性リスクが大幅に高まる。エルニーニョ現象中に、ニュージーランドでは夏季に強い偏西風が頻繁に発生する傾向があり、東海岸沿いでは例年状態よりも乾燥するリスクが高くなる。ニュージーランドの西海岸では、北島の山脈と南島のサザンアルプスによるバリア効果のため例年よりも多雨になる。 概ねフィジーはエルニーニョ現象中に例年よりも少雨に見舞われ、島の全土が干ばつになることもある。ただし、この島国への主な影響はエルニーニョ現象が確立してから約1年後に体感するものである。サモア諸島では、平均を下回る降雨量と平年より高い気温がエルニーニョ期間に記録され、島の干ばつや森林火災につながる可能性がある。その他の影響としては、海面の低下、海洋環境におけるサンゴ白化の可能性、サモアに影響を与える熱帯低気圧のリスク増加などがある。
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