エンゲルスとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)
「カール・マルクス」の記事における「エンゲルスとの関係」の解説
マルクスとエンゲルスは1844年の再会以降、無二の盟友として緊密な関係を保ち、頻繁に往復書簡を交わして思想交流をしていたために、その思想はつねに一致していたとしばしば捉えられるが、マルクスとエンゲルスの思想の差異を指摘する研究者もいる。 たとえばエンゲルスは『反デューリング論』でマルクス主義が一貫した体系という性格をもっていることを指摘したが、マルクス自身は自分の論稿を常に一貫した体系として提示したわけではなかった。またエンゲルスは『自然弁証法』で弁証法哲学が自然科学の領域にも応用できることを示したが、これについてマルクスは「ぼくは時間をとって、その問題についてじっくり考え『権威たち』の意見を聞くまでは、あえて判断をくださないようにしよう」と返信している。 1869年にロンドンへ移住して以降のエンゲルスの理論活動においては、自然科学や原始社会などの新たな研究をふまえ、マルクス主義を社会のみならず自然をも包括するよう体系化しようとする志向が見受けられる。現在の『資本論』第3巻では、エンゲルスによる大幅な改変がなされている。
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