エジプト人 (小説)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/08 13:31 UTC 版)
『エジプト人』(Sinuhe egyptiläinen)は、フィンランドの作家ミカ・ワルタリの歴史小説。フィンランド語の原書は1945年に刊行された。
あらすじ
自由を失った名士である主人公が己の人生をふりかえる。
彼は本当の父母の顔を知らなかった。アメンホテプ3世がエジプトを治めていた時代のこと、葦船に乗せられ、川に流された彼は医者とその妻に拾われた。
医師センムトとキパは古代エジプトの物語の主人公の名をとってシヌへと名付け自分たちの子として育てることにした。善き育ての親を得たシヌへはすくすくと育ち、やがて父と同じく医術の道を志す。
晴れて医師となるも妖婦ネフェルネフェルネフェルの毒手にかかり全てを失ったシヌへは逃れるようにエジプトを離れ、奴隷カプタと共に諸国を旅する。
一方エジプトでは天啓を受けた理想主義の王アクナートン(アメンホテプ4世)が唯一神アトンの教えを推奨する傍ら、アムモン神をはじめとする多神教信仰を弾圧し、国内に混乱を呼び込む。エジプトに帰国したシヌへはアクナートンの治世の終わりと、青年期に出会った武人ホレムヘブがファラオの座を得る様を目の当たりにする。
登場人物
- シヌへ
- 古代エジプトの物語『シヌヘの物語』の主人公の名をつけられた孤児。幼いころは兵士となる夢を持っていたが、父センムトから戦争の中で消費された兵士の無残な老後を見せられ、医者になろうと志すようになる。勤勉で実直な性格だが、毒婦ネフェルネフェルネフェルの毒牙にかかり、のぼせあがって夢中になった結果、取り返しのつかない過ちを犯してしまう。その後、奴隷カプタとともに諸国を旅し、様々な人々と出会う。
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日本語版
- 平凡社
- 1958年に『世界文学全集』第34巻として刊行。飯島淳秀訳。
- 角川文庫
- 平凡社の全集版を文庫化したもの。全3冊。1960年刊。角川文庫リバイバルコレクションとして1989年に復刊。
- 小学館〈地球人ライブラリー〉
- 『ミイラ医師シヌへ』のタイトルで刊行された抄訳。1995年刊。訳者は木原悦子、巻末に吉村作治による解説がある。
- 静風社
- ミカ・ヴァルタリ著、セルボ貴子翻訳、菊川匡監修、『エジプト人シヌヘ』全2冊、2024年刊。
- 初の原語からのノーカット版。
関連項目
- エジプト人 (映画) - 本作の映画化作品。
「エジプト人 (小説)」の例文・使い方・用例・文例
- 古代エジプト人は猫などの動物もミイラにした。
- エジプト人は文字のシステムを最も早く使った人たちだ。
- ボールは何でできていたのでしょう。何千年も前には、エジプト人はボールを柔らかい革か布で作っていました。
- ネコはエジプト人によって飼い慣らされたものである。
- アンソニーはエジプト人に尊敬された。
- エジプト人のピラミッド建設の技術の中には今なお解けないなぞとなっているものがある.
- 古代エジプト人によって敬われたアフリカのトキ
- 古代エジプト人たちに神聖と見なされたコガネムシ
- エジプト人は彼らのファラオをミイラにした
- 胴体がライオンで頭が人の、古代エジプト人によって建造された巨大な石像の1つ
- 古代エジプト人はファラオの神性を信じていた
- 古代エジプト人が崇拝した神
- 空気と呼吸の原始のエジプト人の象徴
- 古代エジプト人の子孫であるエジプト人
- 古代テーベのエジプト人の住民
- 青いエジプトスイレン:エジプト人に神聖視されていた
- 古代エジプト人の使った象形文字
- 古代のエジプト人
- その破片は,約5000年前にエジプト人がビールを造るのに使用した容器に由来するものと見られている。
- イスラエル考古学庁の職員によると,今回の発見はテルアビブが青銅器時代初期にエジプト人が居住していた最北の地だったことを示しているという。
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