ウァレンティニアヌス3世に対する発言
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「シドニウス・アポリナリス」の記事における「ウァレンティニアヌス3世に対する発言」の解説
454年、西ローマ皇帝であるウァレンティニアヌス3世が自身の手で、フン族や西ゴート族といった蛮族に対して優位に立っていたフラウィウス・アエティウスを殺害した。4年前に死去した皇帝の母であるガッラ・プラキディアの度重なるアエティウスに対する讒言、皇帝自身のアエティウスに対する恐れや不信感(アエティウスの息子であるガウデンティウスは皇女プラキディアと婚約していたものの、過去に僭称者ヨハンネスを支持して敵対していたアエティウスが、実は自分の息子を帝位につけることを欲していると信じ、脅威に感じていた)がそのような凶行に走らせたのであった。この暗殺に対して釈明した皇帝に対して、シドニウスは「私は陛下のご意思やお怒りについては何も存じません。ただ、私は貴方がご自身の左手でご自身の右手を切り落としたことは知っています。」と言った。この発言の通り、翌年の455年に皇帝はアエティウスの元部下に暗殺され、蛮族の侵入は更に激化し、帝国は常に後手に回らざるをえず、476年のロムルス・アウグストゥルスの廃位と480年のユリウス・ネポスの暗殺により滅亡したのである。シドニウス自身は帝国の衰退と滅亡の全てを目にした後、489年に58歳で死去した。
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