インバースキネマティクス(逆運動学、IK)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:19 UTC 版)
「3次元コンピュータグラフィックス」の記事における「インバースキネマティクス(逆運動学、IK)」の解説
インバースキネマティクス(英: inverse kinematics)は3次元コンピュータグラフィックスの専門用語ではない。もともと力学の一分野であり、ロボティクス等のほうが「本家」である。 人間など多くの関節を持つ動物において、関節の末端部分の位置は常にその親となる部分の位置と角度に依存している。そのため、通常では関節の末端部分の位置を求める場合においてモデルの中心から末端にかけて順番に関節の角度計算をする、という向きが「順方向」である。しかし、その方向で計算したのでは、例えば「机の上を掌でなでるような動き」を実現するのは面倒なものとなる。なぜなら、関節の末端部分の位置の変化を求めるためには複雑な計算をモデルの中心から全て順方向に再計算しなおさなければならないため非常に非効率的だからである。この解決のため、末端部分の位置を先に決めてその関節の末端位置を実現するための親となる関節の角度を、一種の「逆問題」を解くようにして求めることが考えられる。 以上の説明からもわかるように、物理的な運動学に関して一般に考えることができる逆問題的な考え方のひとつである。 股-ひざ-足のような形状を想定してみると、足の裏が自転車のペダルにくっついたままペダルが回転運動をするアニメーションを作る場合に、ペダルの回転運動に合うように股・そしてひざや足の角度の変更を行なっていくのではなく、足部分の移動に追随する形で、逆に足-ひざ-股の順に各関節の動きを順次割りだして決定する方が、見た目も自然なアニメーションが作成できる。
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