インドの賢者の石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:55 UTC 版)
南インドのタミル文化に属するシッダ医学では、ムップ(ムン:3・ウップ:塩)と呼ばれる3種の塩から成る薬が賢者の石に相当する。ムップは強アルカリ性(シバ)・中性(サダーシヴァム)・強酸性(シャクティ)の3種の塩を極秘の比率で混ぜることからでき、1)ヴァータムップ:錬金術(レベルの低い金属をレベルの高い金属に変化させる) 2)ヴァイディヤムップ:治癒のためのムップ:もともとある薬に加えることで、その薬をより効果的にし、副作用を減らし、治癒を早め、薬を長持ちさせる 3)カーヤカルパ:服用することで若返りの効果(不老長寿かつ病気の治癒)を得る。また、人体の中で生成されるムップも存在する:4)ヨーガムップ:ヨーガを達成したときに体の中から形成される、甘露の蜜に相当する非常に甘く恍惚とした味で、体全体を若返らせ、すべての分泌器官を活性化させる。ムップの材料は様々で、人糞、羊水、海水、尿などからとれる塩であったり、ディークシャを受けたフラー土とする説など様々である。フラー土は現在、製薬時に加えることでその薬の効能を上げるとされ、現在でも実際にシッダ医学の薬の製薬時に使われることがある。※現代は「カリ・ユガ」の時代とされ、錬金術などに使われるような最高レベルの真のムップは作れないと言われている。
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