イメージ検証授業の提唱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 07:32 UTC 版)
「仮説実験授業」の記事における「イメージ検証授業の提唱」の解説
板倉は1981年の講演で、「とくに社会科学の授業を考えているうちに、いまから17〜18年ほど前に私自身の提唱した仮説実験授業とは別に、「イメージ検証授業」と名付けられるような理論を構築しなければならないのではないか、と考えるようになった」として、「イメージ検証授業」という概念を初めて発表した。仮説実験授業は「科学上のもっとも基礎的・一般的な法則・概念を教えて、科学とはどのようなものかということを体験させることを目的とした授業」である。しかし、1980年当時までに作られた授業書の中には必ずしもその定義に当てはまらないと思われるものも存在していた。たとえば宇宙の広大さをイメージさせる〈宇宙への道〉、江戸時代から明治時代への時代区分を教える〈日本歴史入門〉がそのような授業書であった。板倉はこれら2つの授業書を例にあげながら、「宇宙や地球についての正しいイメージを作り育てる」という授業は「基本的な概念ではあるが、多くのものに共通する一般的な概念・法則というわけにはいかない」から、これは仮説実験授業の授業書というわけにはいかないとした。そこで「イメージ検証授業」と名付けたらどうだろうかと提唱した。〈日本歴史入門〉も同様に、歴史の発展の法則を教えるという意図もあるが、一番の目的は「江戸時代とか近・現代の社会とかのイメージを正しく伝えることを第一番のねらいとしている」ので「イメージ検証授業」と呼んで、仮説実験授業とは区別した方が良いと考えた。イメージ検証授業は「イメージは事実の重ね合わせによって作られる」、「基本的な予想の当たる元になるイメージを教える」という基本的な考えによって作られた授業書である。板倉は「仮説実験授業もイメージ検証授業の一種で、その授業で取り上げる概念・イメージが科学的に明確に定義しうるとき、イメージ検証授業は仮説実験授業となる」としている。
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