イギリスの火砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 14:28 UTC 版)
第二次世界大戦終結ごろまでにイギリスで設計された大砲は、同時期のドイツやフランスなどの欧州大陸諸国がメートル法(フランスはミリメートル(mm)、ドイツはセンチメートル(cm)による内径長表記式を用いていたのとは対照的に、独自の表記法を使用していた。 直接照準で使用される野砲や対戦車砲、戦車砲は伝統的に重量単位で口径が示されてきた。単位はポンドが用いられた。たとえば、第一次世界大戦における主力野砲であった18ポンド野砲の口径は約84mm、第二次大戦における主力野戦砲25ポンド野砲の口径は約87.6mm。戦後第一世代の戦車であるセンチュリオンの主砲は、センチュリオン Mk.Iでは17ポンド砲(約76.2mm)が搭載されており、イスラエルに輸出され中東戦争などで活躍したセンチュリオン Mk.IIIでは20ポンド砲(約84mm)に増強されている。 逆に間接照準で運用される榴弾砲やカノン砲では内径長による表記法が用いられていたが、単位にはインチが使用されていた。たとえば、第一次大戦期の榴弾砲では4.5インチ野戦榴弾砲の口径は約114mm、6インチ中榴弾砲の口径は約152mm、8インチ重榴弾砲の口径は約203mmであった。第二次大戦期の主力カノン砲であった5.5インチ砲の口径は約140mmである。 NATOへの加盟の影響もあってか現在ではメートル法(ミリメートル)を単位とする内径長による表記に統一されている。たとえば、イギリスで設計され戦後第二世代戦車の標準的な戦車砲となったロイヤル・オードナンス L7の口径は、105mmの表記が用いられている。
※この「イギリスの火砲」の解説は、「口径」の解説の一部です。
「イギリスの火砲」を含む「口径」の記事については、「口径」の概要を参照ください。
- イギリスの火砲のページへのリンク